畑田晃佑様 ディジョン留学
2024年7月下旬から8月上旬まで、ブルゴーニュ大学に短期留学しました。ブルゴーニュ大学のあるディジョンという都市には、パリリヨン駅からTGV(高速鉄道)に乗車し、約1時間40分で行くことができます。ディジョンの中心街には、旧ブルゴーニュ公宮殿やノートルダム教会など、歴史的で美しい建築物があります。また私は、今回の留学でディジョンをはじめて訪れたのですが、非常に自然豊かな街であるという印象を持ちました。ダルシー庭園、コロンビエール公園、キール湖など、どこも心が安らぐ場所でした。さらにディジョンでは、バスやトラム(路面電車)の交通網が整備されており、移動が便利でした。
留学期間中、私は大学の寮に滞在しました。寮からブルゴーニュ大学まではトラムを使って行くことができますが、私は大学に歩いて通学しました。寮から歩くと15分くらいです。日本の夏と比較すると、ディジョンの気候は非常にすごしやすく、とくに朝は涼しいので、歩くのが適度な運動になりました。
大学でフランス語を学ぶ授業は、月・木曜日が9時から13時まで、火・水・金曜日が9時から12時まででした。また語学の授業だけでなく、火曜日・水曜日の午後には、フランスの文化や教養を学ぶキュルチュールという授業がありました。毎週異なる授業が開講されているようで、私が留学した期間には、19世紀から現在にかけてフランスの家族形態がどのような変化を遂げたのかをテーマにした授業、近代および現代の芸術に関する授業が開講されていました。
留学初日にはクラス分けのテストがありました。私が配属されたクラスでは、授業の前半は、文法や修辞法に関する学習を行いました。具体的には、接続法や、同じ主語を繰り返すような冗長な文章を書くのを避ける方法などを学びました。授業の後半は、文章読解、リスニング、スピーキングなど、アクティビティーが中心でした。例えば、雑誌記事を読んだり、ラジオを聞いたりして練習問題を解き、特定のテーマについて簡単に自分の意見を述べるような活動も行いました。
文法の授業に関しては、ある程度理解することができました。アクティビティーに関して、フランス語を話す・聞く能力に苦手意識をもっていた私は、案の定、自分の考えをうまく表現できず、また、そもそも先生やクラスメートが話すスピードについていけないことも多々ありました。しかし、先生もクラスメートも非常に親切で、私が理解できるように手助けをしてくれました。
授業が終わった後は、ディジョンの中心街に出かけました。心惹かれる絵画や彫刻をじっくり見ることができるディジョン美術館(ブルゴーニュ大学の学生証を提示すれば、無料で入館できます)と、食と文化の融合施設である国際ガストロノミー・ワイン都市などを訪れました。エスカルゴ、ブッフ・ブルギニョン、ワインなど、美食の街ディジョンでの食事は格別でした。
仕事の関係で2週間の短期留学だったので、時間はあっという間に過ぎました。クラスメートにピクニックに誘っていただいたのですが、帰国スケジュールの関係で参加することができなかったのが心残りでした。正直なところ、今回の滞在で語学力を劇的に向上させることはできなかったと思います。しかし、留学する意味は十分にありました。今回の留学を経験するなかで、自分の語学力のなさを痛感し、もっと勉強しようと改めて思うことができました。また「この場面では、フランス人は○○という表現を使うのか」という雰囲気を少し知ることができ、何よりもフランス文化に直接触れることができたのは、貴重な経験になりました。余談ですが、授業のない土日にはパリを観光しました。やはりルーブル美術館は圧巻でした。パリオリンピック期間に、フランスを訪れることができたことも思い出になりました。
フランス語を向上させるために近道はなく、やはり積み重ねが大切だと留学を通じて改めて感じました。今後もフランス語の勉強を続けて、次回は長期留学に挑戦したいと思います。