小林綾子様 ランブイエ留学
ランブイエ国際学院は現在は閉校されています
研修地ランブイエについて
ランブイエは、パリから国鉄の急行で30分ほどで行けるところです。パリのベッドタウンでもあり、また休日にはパリから森を散策するために人々が訪れ、またランブイエ城は大統領の別荘となっていて大統領が訪れる場所でもあります。ランブイエ国際学院は、駅から歩いて15分くらいのところにあります。Centre ville(中心街)にはカフェやスーパーや郵便局など、何でもあります。そちらとは逆方向ですが大きなスーパーが徒歩10分の距離にあったので、生徒はよくそちらを利用していました。人が多いわけではなく、静かでとても平和な街であるという印象です。刺激がほしい人には物足りないかもしれません。
研修校について
ランブイエ国際学院では、月曜から金曜日、8時30分~10時30分、10時45分~12時45分、14時~16時と1コマ2時間、一日3コマで計6時間レベル別のクラスの授業があります。ただし、月曜の1コマ目と金曜の3コマ目は、「アトリエ」と言って、文法や聴き取り、詩の朗読や電話のマナーなどトピックごとにクラスが設定され、生徒が自ら興味のあるクラスを選ぶ自由参加の授業が設定されていました。
内容については、まず朝の最初の2コマで基本的な文法や、テキストの中心話題について学び、午後の授業ではその文法やテキスト内容を利用して応用的なことを学ぶという流れでした。その中で面白かったのは、テキストで街頭アンケートがトピックだった時、午午前中は尋ね方などを学んだわけですが、午後、先生の提案で実際に自分たちがアンケートを作って、街に出て聞いてみることになったことです。内容は、フランス人の余暇の過ごし方で、仕事の後や週末など、どのように過ごすかということにしました。街の人は、人によっては内容を聞かずに断る人もいましたが、私たちに分かるまで説明してくれたり、つづり方を教えてくれたりする人もいました。やはり、実際に街に出るとまだまだ聞き取ることもコミュニケーションをとることも難しいと実感した反面、これからよりスキルを身につけて、コミュニケーションをとることができたら楽しいだろうと、それからの勉強の励みにもなりました。このように、ただただテキスト内容をこなすだけではなく、実際に使えるように先生たちが授業展開を考えてくれていて、とても充実した、中身の濃い毎日でした。
生徒の数は、毎週月曜にクラスが再編成されますが、レベルで分けるので2人というクラスもあれば、10人以上のクラスもあるという状況でした。私の場合は前半2週間は4人のクラスだったので、全員が発言できましたが、後半2週間は11人ほどになり、その分発言の機会が減り、どちらかと言うと先生の講義形式になってしまった点は残念でした。
寮生活について
私は一人部屋を選びました。二人部屋の場合は、違う国籍になるようにしてくれるようで、二人部屋の生徒は皆それぞれルームメイトと楽しくやっているようでした。部屋は、建物全体でつけたり消したりするオイルヒーターが部屋についていましたが、夜は消されてしまって寒かったです。スーパーで安いブランケットを購入して被っていました。
バスは共同で、建物ごとに3つくらいずつシャワーがありました。バスタブはなく、シャワーだけです。シャワールームがとても寒く、なかなか大変でした。また、仕切られて入るものの、寮自体男女混合なのでシャワールームも共同で使うため、少人数の男の子は気を遣っている人もいました。確かにそのようなことを考えると、寮は男女別の方がいいかもしれないと思いました。お湯は量が決まっているから、なくなると水しか出ないと聞いていましたが、お湯が出ないということは誰もなかったようでした。
食事は、正直言って美味しいと言えるものではありませんでした。朝はシリアルとバゲットがあり、自分で選ぶ形です。昼は先生方もいて人数が多いせいか、一番豪華で美味しいものも出ます。しかし夜は質素で、バイキング形式で自分が好きなだけとれるものの、満足感を得られる食事は少なかったように感じます。授業内容が良い分、あとは食事を改善すればもっと良いとみんな言っていました。
パソコンルームはいつでも使えますが、使えないパソコンが多く、また回線もあまりいいものではないようで、メールを書けなかったりすることもしばしばありました。使えないパソコンが無造作におかれていて、きちんと管理されていないように思いました。日本語は使えるパソコンがあったので、それを使うようにしていました。
私個人としては食事以外は我慢できる範囲で、部屋については壁が薄くて声が通りやすいこと以外はだいたい満足でした。
留学で学んだこと
私は大学の第二外国語としてフランス語を2年間勉強しましたが、この1ヶ月でその2年間分くらい、もしかしたらそれ以上のことを学べたように感じられます。文法事項は学んでいたことなので、日本で得た基本知識の助けで分かった部分ももちろんありますが、会話の中での決まり文句や独特の表現、また大学での教え方とは少し異なるアプローチの仕方で文法を学ぶことでより文法や単語が明確に理解できました。
基本と応用をしっかりつなげて学ばせてくれるので、フランス語は難しい言語だから身につけるのも難しいだろう…というところから、難しいけど身につけられそうだという気持ちに変わったのが一番の変化だと思います。一度、パリへの遠足を生徒自身で計画し、生徒が名所で説明もするという学院初の試みを提案してくださった先生がいて、私もその計画に参加し、みんなの前で広場の説明をしたことがありました。みんなで行く遠足を5人で計画し、それぞれが担当する名所について調べ、みんなの前で当日プレゼンテーションをしました。緊張しましたが、自分で考えることはとても自分のためになったと思いますし、また生徒が自らかかわっているという遠足になりました。これからも続けてほしいと意見を言いました。
また、生徒同士、特に違う国から来ている生徒とはなるべくフランス語で話す、ということをみんなが行っていたので、それもフランス語を身につける上でためになったと思います。つたなくても、互いに理解しあうよう努めたり、教えあったりして、それも楽しかったです。メールを交換する友人もたくさんできて、そういう意味でもフランス留学が有意義なものになりました。
今後の抱負
私の目標は、フランス語で専門の法律の文書が読めるようになることなので、これからも文法事項の勉強を進めたいと思います。基本的な構成は分かり、自分の言葉で単語の意味などを説明できるようにはなってきたので、今度は語彙を増やしたり、表現力をつける段階だと思います。幸い、上述のようにフランス語でメールをやりとりする友人もできましたので、そういった場でフランス語を使っていくつもりです。そしてフランス語も話せます、と堂々と言えるようになりたいです。