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日向野 敬子様

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日向野 敬子様>>刺繍

私はエコール・ルサージュという刺繍の学校でプロフェッショナルコースの授業をとっています。週に2回で、それぞれ3時間の授業を受けています。ワーキングホリデービザで1年間滞在予定なので、授業のスケジュールを詰め込まず、ゆっくり勉強することに決めました。1から8まで段階があるのですが、6までが通常のコースで、その先のコースに進むためには、難しい授業についていくやる気が必要なことと、授業の席に空きがある場合に限られます。私は最後のコースまで修了して帰国したいと考えています。

 

小学生の時に授業で習った裁縫がきっかけで、中学生の時に服作りをしたいと思うようになりました。そして高校卒業後に文化服装学院に入学しました。その後スタイリストとして働き、その頃にこのBRODERIEという、今私が習っている刺繍に出会いました。


見に行った映画の中で、この刺繍が偶然出て来たのです。仕事が忙しかったので、BRODERIE について調べる時間は限られていましたが、その後エコール・ルサージュが出版した本をきっかけに、この刺繍を更に知りたいと思うようになり、同時に憧れを抱きました。インターネットで、ルサージュに通った日本人の方が、東京にお店を出したり教室を始めたりするなど、この学校が刺繍の中心的存在であると知り、入学を決めました。


私は初めフランスには特に興味は無かったのですが、この刺繍を追っていたらフランスに辿り着いたという感じです。この刺繍の特徴として、ビーズに糸を通して裏側を見ながら針を刺して縫っていったり、革の下に入れたビーズで、その革に模様を浮き出させるなどの手法があります。私は日本ではこれらの技術を見た事がありませんでした。

 

こちらに来て、3ヶ月が過ぎました。人とのミュニケーションはうまく行っています。学校には日本人が多いですし、先生も垣根無く接してくれます。 私はフランス語は殆ど話せませんが、それでも優しく丁寧に教えて下さり、こちらも落ち着いて学ぶ事が出来ます。友達の中には、フランス人を嫌っている人もいます。自分への態度の中に、差別扱いを感じると言うのがその理由のようです。私はまだそのようなフランス人に出会っていませんし、誰も皆親切な感じを受けます。大きな刺繍を手提げに入れて、メトロやバスを利用する時も、周りの方達は、場所を空けてくれたり、乗り降りの際も気を遣ってくれます。私も時間とともに幾分気持ちがオープンになり、人に話しかけられるようになって来たと思います。手芸屋などに一人で行き、そのお店で欲しいものをきちんと買えた時などは、自然と嬉しくなります。少しずつでも自分で何かを出来るようにする事が、自分に自信をつけてくれますので、積極的に努力を続けたいと思っています。

 

私は散策が好きなので、昼夜を問わず、主にバスを利用して、パリ市内を廻っています。このバスはどんな場所に着くのだろう、といった感じで、目的地を定めずに、窓から見える景色を楽しんでいます。目の前を過ぎる、高くて美しい教会、日本とは全く違う装いの住宅街、パリ中心の国際色豊かな人の波など、それは今自分が海外にいる事を実感させてくれます。盗難に遭ったり、危険な思いをした事はまだありません。ショルダーバッグはななめにかけ、携帯電話は歩きながら使わないように注意しています。盗難などは事故のようなものかとも思いますが、注意を怠らない事で、楽しくパリを満喫出来ると思います。

 

パリはハイブランドの集まる街ですが、私はブランドそのものには興味がありません。しかし、オートクチュール・コレクションの縫製や各メゾンがどの様に刺繍を取り入れているかには大変興味があります。前回のファッションウィークの際は、残念ながら中には入れませんでしたが、会場まで足を運んでみました。刺繍に限らず、オートクチュールの縫製はそれぞれのメゾンによって違うと思いますし、それぞれの作品が輝いていると思います。そして作り出されたものが製作されただけで終わるのではなく、多くの人に発表する場を持てると言うのは素晴らしいことだと思います。文化服装学院の文化祭で、ファッションショーの裏方として仕事をしましたが、やはりドレスが舞台に出て行く時はドキドキ、わくわくしながら見送りました。自分達のイベントを成功させた事に達成感を感じていました。 スタイリストの仕事をしていた時も、一つのものをみんなで作りあげ、人前に出すことには充実感がありました。私は今刺繍を学んでいる訳ですが、今後この技術を生かしたもの作りに参加し、自分の刺繍を様々な舞台に送り出したいと思っています。