練習環境は今までで⼀番良いと感じています
拠点を変えて気分一新
昨年春までフランスで勉強していましたが、秋から新しく環境を変え、ジュネーブ州⽴⾼等⾳楽院(ジュネーブ⾳楽⼤学)でピアノを勉強しています。リストも教鞭を取っていた歴史あるこの⾳楽院には、世界各地から留学⽣が集まり⼤変国際⾊豊かな雰囲気です。
生活してみてわかるスイスとフランスの違い
フランスとの違いを感じるのはやはり日常耳にする⾔語の多様さかもしれません。ジュネーブはフランス語圏ですが、スイスにはスイスドイツ語、仏語、伊語、ロマンシュ語と公⽤語が4つあるだけあって、学期末の試験はフランス語で出題されるのですが、回答は英語も可能で、先⽣によっては独語、伊語なども認められています。
この学校では学⽣向けに年に何度も演奏会参加の機会があり、鍵盤科の学⽣もオケ中ピアノやチェレスタで参加出来ることを知り、今年度は2回参加しました。学内の演奏会ながら、有名な指揮者を招致し、メイン会場もヴィクトリアホール(スイスロマンド管弦楽団の本拠地)であることなど、非常に恵まれています。勿論これらの演奏会は一般にも公開されています。
更に、学内では有名音楽家を招いたマスタークラスがたくさん開催されており、在校生は1年に1回以上参加できます。勿論聴講も自由なのでとても勉強になります。セミナーも数多く開講されていて、こちらは1年のうちに5回は受講することができます。その中の1つがリゲティのピアノエチュードの研究で、受講生が1曲ずつ担当しそれに対して先生が解説をする形式でした。この企画は好評で、パリでも開催されることとなり、私も演奏者の一人としてパリのハンガリー学院で演奏させていただきました。
世界の中でも物価が⾼いと有名なスイスですが、その中でもジュネーブは物価の⾼い街です。例えば、ラーメンが⼀杯23〜30CHF(約2,700円~3,500円)と、⽇本の3倍ほどです。ジュネーブからフランスまで1 時間とかからず⾏けるため、国境を越えて買い物に出かけたりもします。
一方で、パリで⽣活していた時は、学校の練習室を借りるのが大変で、1回2時間だったり、何時から使えるかもわからないのが当たり前でしたが、今はオンラインで1日最長6時間まで事前予約ができ、良いピアノも多く、練習環境は今までで⼀番良いと感じています。
残念ながら、後期のほとんどはコロナウイルスの流⾏により学校が閉鎖されていますが、現在もオンラインで授業やレッスンを受けています。学校閉鎖からオンラインによる授業開始まで1週間という短期間で整えられたのは、近隣諸国よりもかなり早かったと聞いています。
今は通うことのできない音楽院ですが、校舎のすぐ側にはレマン湖があり、少し歩けば⼭が⾒え、トラムもバスもほとんど電動で空気のとても綺麗な街です。華やかなパリとは違いジュネーブは⼩さな街ですが⾃然を感じながら落ち着いた環境で勉強できるのもひとつの魅⼒です。