留学体験談

フランス人の友人もたくさんでき楽しい毎日

田倉碧子 様 Midoriko TAKURA

国立音楽大学在学中に、パリ国際夏期音楽アカデミーにて、アレクシス・ガルペリ(Alexis GALPERINE)先生クラスを受講。卒業後、スコラ・カントルム音楽院に入学し、現在パトリス・フォンタナローザ(Patrice FONTANAROSA)先生のクラスに在籍。

 留学2年目に入り、落ち着いて暮らせるようになりました。学校のシステムや授業についても良く理解できるようになり、とても充実しています。学校の勉強、語学、生活全般で今まで見えなかったことが見えてきて、さらに勉強したい吸収したいという欲が出てきたように思います。

今年から、指揮者でもある学長によるアナリーゼの授業が始まり、9つのベートーヴェンの交響曲の歴史的、技術的研究について、先生のピアノ演奏を交えながら行われています。生徒たちは総譜を見て書き込みをしながら授業を聞くスタイルで、様々な指揮者や、オーケストラの映像を見ることもあります。この授業は音楽院のどの専攻の学生も聴講が可能です。

また、選択科目のアナリーゼも受講していて、こちらの授業では毎週一人の生徒が演奏をして、その曲についての解釈を話し合うスタイルが取られています。この授業には、年配の学生も参加していて、学ぶ意欲があれば年齢に関係なく、自由に勉強ができることに大きな刺激を受けます。室内楽は、現在ピアノとのデュオで、フォーレのソナタを学んでいます。以前から演奏したかった曲なので、しっかり勉強する機会をいただき、とても嬉しく思っています。

また、ピアノとチェロとのトリオではシューベルト作曲「ノクターン」とメンデルスゾーン作曲「ピアノ三重奏曲」を勉強しています。カルテットは、ハイドンとベートーヴェンの四重奏曲を学んでいて、ショーソンの歌曲「終わりなき歌」も勉強する予定です。メンバーのヴァイオリニストは年配の男性で、弓職人としてお仕事もされている方です。他には指揮科の授業のオーケストラにも、昨年同様参加しています。今年は、シューマン作曲「交響曲第4番」と、ベートーヴェン作曲「交響曲第7番」を勉強しています。

毎週のレッスンにはエチュードと曲を持って行きます。現在はバッハとイザイの無伴奏ソナタの他、チャイコフスキーとベートーヴェンの協奏曲を勉強しています。2年目に入り、技術面が向上しているおかげで、曲想など音楽的な面にに集中できるようになってきました。解釈や考え方も大きく変わってきたと感じています。先日は、先生がご自身の楽譜を貸してくださり、先生の直筆で指使いや注意するべき点が書いてある楽譜を見せていただきました。楽譜をお返しするときに「何か面白い発見はありましたか?」と聞かれたことが、とても印象に残っています。「僕が演奏するのではなく、君自身が君の解釈で演奏するのだからそのまま真似をするのではなく、自分の演奏を探して表現してください。」と個人の解釈を求められます。

昨年は友人の紹介で、ロシュフォールで子供たちのために行われたブリテンのオペラや、サティの作品を演奏するコンサートに出演しました。3月にはオーケストラで、パリ5区の市役所でのラフマニノフのピアノコンチェルトに参加します。これからもフランスで吸収したことを活かして、演奏活動をしていきたいと思っています。