美術館での演奏会に出演!
洗足学園音楽大学卒業後、セルジー=ポントワーズ地方音楽院に入学。 現在、ジャン=イヴ・フルモー(Jean-Yves FOURMEAU)先生のクラスに在籍
2年目に入り、フルモー先生のレッスンでは、以前より自由で伸びやかに演奏できるようになってきました。現在は、繊細な表現をするために、強弱記号など楽譜に書かれていることだけにとらわれずに音色の変化をつけることを注意されることが多いです。先日は、デュボワの「コンチェルト」、ボルヌの「カルメンファンタジー」やバッハの「無伴奏パルティータ」を勉強しました。サックスでは出しにくい軽さやエレガントさと、フランスらしい美しい表現を目指して研究しているところです。
室内楽は、サックス4本のカルテットを組んでいます。昨年のフェット・ドゥ・ラ・ミュージックの日には、音楽院近くのショッピングモールでピアソラの曲を演奏会しました。通りがかりの人たちから大きな拍手と歓声が起こり、とても喜んでくださったのが印象に残っています。近郊の音楽ホールでブラスバンドの演奏会に出演した時にも、お客様がスタンディング・オベーションしてくださり、観客のダイレクトな反応に驚きました。
今年の初見の授業では、特に現代曲を多く勉強しています。楽譜を正確に読むだけではなく、音楽的な流れや表情を大事にするようにと言われます。アレグロなどの速度表示によって曲の特性が決まるので、速さと曲の雰囲気を感じてから演奏を始めることを意識しています。クルチュール・ミュージカルでは、現在バロックのチェンバロ曲のアナリーゼを勉強しています。他には、選択科目で、即興のクラスを受講しています。先生はオーボエ奏者で、和音やスケールの中で即興のメロディーを吹く方法や、リズムの取り方について学んでいます。またソルフェージュも続けて受講しています。
昨年の夏には、フランス西部ポワティエで行われたハバネラ・サクソフォーン国際アカデミーを受講しました。講習会の最後に演奏会に出演し、美術館の中でジャン・フランセの「5つの異国風舞曲」を演奏しました。美術館の中で奏者があちこちに待っているところに、係員に案内された聴衆が移動してそれぞれの曲を聴くコンサートです。絵画を鑑賞しながら演奏を聴く企画は大変面白く、フランスならではの演奏会だと思いました。
フランス人は服装や室内装飾など、生活の身の回りの物はシンプルで、色の組み合わせが美しくセンスが良いと感じます。私は、いつも曲を吹きながら、色や風景、映像などを想像します。パリに暮らすようになってから、自然と頭の中でイメージする色や場所の種類が増えました。バッハを勉強する時には、ルーブル美術館で観た絵をイメージしながら練習するように心がけています。よく教会の演奏会にも足を運んでいます。
今後は、演奏する機会を増やし、将来は指導者としても活動していきたいと思っています。尊敬する師のように、レッスンを受けるたびに、次のステップのために頑張ろうと、ポジティブな課題が見えてくるような教え方ができる指導者になりたいです。