多くの演奏会で歌い充実したフランス生活を満喫しています
東京音楽大学卒業後、同大学院声楽専攻オペラ研究領域修士課程修了。 2015年エコール・ノルマル音楽院を経て、2017年リュエイユ=マルメゾン地方音楽院スペシャリゼ課程修了。 現在、同音楽院エクセロンス課程でマリー・サン=パレ ( Mary SAINT-PALAIS ) 先生のクラスに在籍。
3年目に入り、演奏会に出演させていただくことも多くなりました。昨年は、パリのレストランで企業主催のパーティーや、パリ高級ホテルで行われた日仏中の文化を紹介しあうパーティーなどで歌わせて頂きました。またパリ郊外のイベントでは、華道家が花を生けている間に歌曲を歌い、大勢のお客様に喜んでいただきました。他には、日仏文化協会東京汐留ホールで、昨年10月に ラ・ メゾン・デュ ・ ショコラのイベントに出演し、オペラの名前が付いているお菓子に合わせて、トラビアータ、ボエームなどのアリアを歌いました。オペラを専門に学んできたので、このような機会を頂き大変嬉しかったです。
音楽院では、ドイツバロックや、ドビュッシー、オペラアリアなどそれぞれの専門家のレッスンが受けられるマスタークラスも行われています。昨年暮れにはマスタークラスでドビュッシーの歌曲を歌い、今年は2月の学内演奏会で木管、ハープ、弦楽の室内楽オーケストラでリュディの作品を歌いました。
以前は無我夢中で歌っている感じでしたが、より自然に歌えるように変わってきているという感覚があります。歌わない時間も大切と言われても以前は心配で、つい沢山練習してしまったのですが、先日は2週間全く練習室が使えなかったのを機に、思い切って一度練習を休み、その間、1年間レッスンで指摘されてきたことをゆっくり反省しました。テキストを読んだり、楽曲の背景を考えたりすることがいかに大切かと思い当たり、何を表現するかが大事だと更に考えるようになりました。
フランス人はレベルにかかわらず、それぞれが誇りと自信も持って学んでいるという印象があります。フランス人の友人も増え、学校でできるだけ情報交換をしたり、自分から積極的に話すように心がけています。昨年、DEMを取得できたことも自信につながり、周りの方からもディプロムを持っているならと認めていただけるので、取得できて良かったと思っています。
先日、マルメゾン城で行われたサン=パレ先生の演奏会でオペレッタを聴き感激しました。私も近くのヴェール・モン城の美しい部屋での演奏会で、サティの歌曲を歌う機会がありました。パリ近郊にはオペラの舞台になった場所が沢山あるので、登場人物がこの場所に来ていたのだと想像するのが楽しいです。
私は、フランスの自由な雰囲気がとても好きです。日本人は何事もきっちりしすぎてしまう傾向があるので、もっと自由な精神で音楽表現をすることを心がけています。これから、大きな国際コンクールや、オペラ座アカデミーのコンクール準備などしていく予定です。今年はパリでソロのリサイタルも予定していて、よく知られているフランス歌曲やフランスオペラのプログラムと、日本歌曲とイタリアオペラで2部構成のプログラムにするつもりです。お世話になった皆様に聴いていただくのを楽しみにしています。