留学体験談

人としても尊敬できる先生との出会いに感謝

小菅裕之 様 Hiroyuki KOSUGE

幼少期よりギターを始め、16歳で渡仏。現在、リュエイユ=マルメゾン地方音楽院でアントワーヌ・フジュレ(Antoine FOUGERAY)先生のクラスに在籍

フランスへ留学したいと強く願うきっかけとなったのはジュディカエル・ペロワ(Judicaël PERROY)先生でした。どのような難曲でも簡単そうに弾きこなしてしまうその姿に感動し、是非先生に師事したいと思いましたが、先生がどちらで教鞭をとられているのかさえも判らず、まず日仏文化協会に相談しました。

早速、現地音楽スタッフの方が先生にコンタクトを取って下さいましたが、残念ながら自分がすぐに受験できる課程のクラスをお持ちでない事が判りました。しかし、先生はリュエイユ=マルメゾン地方音学院で教鞭を取っているアントワーヌ・フジュレ(Antoine FOUGERAY)先生を紹介して下さり、音楽院に在籍しながら、定期的に個人レッスンを受けてみてはとご提案して頂くことができました。

フジュレ先生はペロワ先生の親しいご友人でもあるので、2人で話し合いながら僕の練習すべき曲や今後の方向性について話してくださっていて、気兼ねなく同時に二人の先生に師事することが出来、充実した留学生活を送っています。フランスに到着してすぐに、ぺロワ先生から「僕が連れて行ってあげるから、リールのマスタークラスに来ないか?」とご提案頂き、とても不安でしたがついて行きました。滞在先も先生が探して下さって、アーティストとして素晴らしいだけでなく、人としても温かみ溢れる方だなと感動しました。

音楽院でのフジュレ先生とのレッスンは、初めの3か月は通訳の方に来て頂いたのですが、現在は語学学校に通始めたこともあり、通訳なしで受けるようになりました。フランスで学び始めてまず驚いたのが、初めのレッスンで“ギターを弾くにあたっての爪の研ぎ方”を習ったことです。日本では全く注意されなかったのですが、特別なやすりで爪を整える事によって、音質が変わるのには本当に驚きました。整え方も、弦と指の角度や当たり具合によって、ミリ単位での調整なのです。先生は一日に何度も爪を整える事があると仰っていました。とにかく綺麗な音で弾くという事が大切で、それを一から丁寧に教えて下さいます。日々のレッスンはとても充実していて、先生の寛容さと熱のこもったレッスンに毎回感銘を受けています。初めての留学で素晴らしい先生に習うことが出来て、本当によかったと思っています。

個人レッスンの他には、楽典・ソルフェージュの授業を取っています。まだ入学して、間もないのですが12月と1月にはコンサートに出演させて頂く機会もありました。

今は、学校・生活・語学に慣れるのに必死で、コンサートへあまり行けていないので、もう少し慣れてから色々出かけるようにして、沢山吸収したいと思います。また、積極的にマスタークラスを受講したり、コンクールやオーディションを受けて、音楽家として成長していきたいです。