毎日が嬉しい刺激にあふれています。
上野学園高等学校卒業後、2017年渡仏。 現在パリ地方音楽院スペシャリゼ課程ピアノ科、パリ1区モーツァルト音楽院伴奏科に在籍中。ピアノをジャン=マリ・コテ(Jean-Marie Cottet)先生、保都玲子先生に、伴奏法をアンヌ=セリーヌ・バレル(Anne-Céline Barrère)先生に師事。
フランスの聴衆の前での初演奏が…
留学を決めたきっかけは高校二年生の時初めて1人で海外へ渡り、ニースアカデミーに参加してアカデミー主催の学生選抜コンサートでドビュッシーの“喜びの島”を弾かせていただいたことでした。それまで私はドイツやロシアなどの国のスケールの大きい重厚な曲ばかりやっていたのですが、人前で初めてきちんとフランス音楽を演奏したのがフランスでの舞台だったというのは今考えてもとても贅沢な経験だったと思います。練習室の窓の隙間から入り込んでくる夏のニースの香りと木の葉のざわめき、木漏れ日に照らされた緑の美しさと曲がピタリとマッチした時、ドビュッシーはこういうものを見てその美しさを表現したのか、と思ったら私ももっとこの国でそういう「美」に触れてみたいと思うようになりました。そして日本の音大進学の道だけでなく、フランスに留学する道もあるのだと気づきました。
それから1年ほど日仏文化協会さんのお力を借りて留学の準備をし、高校卒業後渡仏し今に至ります。
日常の小さな発見を音楽に反映できる幸せ
留学して1年半程たちますがフランス語はやはり日本人にとって難解な言語の一つであると感じます。それでもこちらの言葉の踊るようなリズムが私はとても好きです。日本語より感情の起伏も伝わりやすい言語だと思います。フランス音楽のテンポ感やリズム感もこういった言語の特徴に由来するのではないでしょうか。
日常のそういった小さな発見を音楽に反映できるのはとても幸せなことだと思います。
留学生活2年目に入って、1年目では日々の生活においても音楽面においても言われたことをやるだけで精一杯なところもあり、もう少し余裕を持ちたいなと思っていましたが2年目の今は心身ともに昨年よりは少し余裕を持てて、忙しさの中にも楽しさを見出す生活を送ることが出来ていると思います。