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第6期奨学生の留学体験レポート

 

石崎様のパリレポート1

 

留学生活と言うのは自分が思っていた以上にあっという間でした。2月の寒空の下シャルル・ド・ゴール空港に降り立ったと思ったら、すぐにパリを新緑の匂いが包み、気が付けば夏が到来していました。


当初、僕は「留学生活」というものを楽しんでいました。学校も行ってはいましたが、それ以上に異国で出来た違う国の友人達との時間が何よりも自分には刺激的でした。少しの事を伝えられただけでも何とも言えぬ満足感に包まれ、新しいステージに自分がいることを感じることが出来ました。毎週何かしらのパーティーがあり、それにも参加していました。慌しいパリのゆったりとした雰囲気に適応して、時間はあったはずなのに、僕はあまり自分のことを深く考えなくなってしましました。一見充実した留学生活に見えるのですが、夏に入った辺りで自分を完全に見失っていることに気付きました。もう一度よく考えてみたのです。自分が何をしにパリに着たのか。


それまで、音楽やサッカーなどの活動はしていましたが、全てが中途半端でした。はっきり言って、たらたらしていた自分にどうしようもない位怒りを覚えました。留学生と言っても、様々な人たちがいます。ただ外国で暮らしているというだけで日本にいる方々はすごい、などと中身を見ずに言いますが、何にもしていない人が実際は多いです。自分は何もしていなかったわけではないのですが、高い志があってパリに来たはずなのに、これじゃあ何もつかめずに終わってしまうと思いました。大きく生活を変える必要がありました。


それからはまず、自分の時間を増やすことにしました。自分の勉強、外国語はもちろん、教養としての勉強も自主的に多く行うことにしたのです。そして、聴講生として参加していたパリ大学の授業も完全に取りやめることにしました。効率が悪いというか、あまり意味がない気がしたのです。


そして、はっきりと自分が何をしたいのかをとことん考えました。出てきた答えは音楽でした。音楽は中途半端にしたくない、ここできちんと納得するまでやれなかったら一生ズルズルと行く、そう強く思いました。


バカンスがあけてからはフランス人と本格的にバンドをはじめ、声楽のレッスンやコーラスなども毎週やっていて、自分の練習や勉強の時間も入れればかなり多くを実りある時間として過ごせています。フランス人や留学生とは音楽を通して、学校の語学講座を通して、プライベートの時間を上手く利用して、大変楽しく過ごさせてもらっています。


間違っている、と思ったとき、しっかりと軌道修正をすること、自分に対して逃げずに何をすべきかを考えること。それが最も大切なのだと思います。留学と言う短い期間では大きな成果があげられる反面、よくわからず終わってしまう人も多いのではないでしょうか。それでは、しっかりと自分を律して、何をしに来たのか、原点に返る必要があると思います。


それらを忘れずに、しっかりと残りの短い時間も過ごしていきたいと思います。