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第2期奨学生留学レポート

 

長期留学   丹 尚子様 

4年後の2009年(平成21年)、私の生まれ育った横浜の町は開港150周年を迎えます。現在横浜市では2009年の横浜の町を盛り上げるために、さまざまなイベントの企画や都市整備を進めています。その一環として、横浜市では文化芸術創造都市を目指し、「ナショナルパーク構想」に取り組み始めました。このナショナルアートパーク構想では、①文化芸術活動の創造・発信、②創造的産業の集積、③都心臨海部の環境形成と国際的な観光交流拠点、この3点を目標に掲げ4年後の横浜を舞台に市民や企業・行政が一体となって文化活動を展開できるように、横浜の歴史建造物を利用した文化施設の整備や、大学・創造的産業(企業)などの誘致に力を入れています。


横浜生まれ横浜育ち(現在も市内在勤)の私としては、この横浜市の取り組みにとても興味があり、4年後の開港150周年を心待ちにしている市民の一人です。そして、何か自分の出来ることで4年後の横浜と関わっていきたいと真剣に考えるようになりました。私の出来ることは何だろう。そして私は、5年前から趣味で続けているシャンソンのことを思い出しました。そうだ、4年後の横浜でシャンソンフェスティバルを実現させよう!私は昔からジャンルを問わず歌が大好きで、中でもとりわけフランスの歌の美しさに惹かれて、5年前からシャンソンの勉強を始めました。最初は日本でも良く知られている「ラヴィ・アン・ローズ」、「セ・シ・ボン」「パリ祭」などを日本語で楽しく歌っていましたが、もっといろいろなフランスの曲を知りたくて、フランスの童謡から現代のフレンチポップスまで、あらゆるシャンソンを聞くようになりました。日本ではシャンソンというと、ロックやジャズなどの洋楽に比べ、どこか閉鎖的で若い人達からの支持が少ないように思います。私はとても疑問でなりません。

 

フランスの歌は本当に明るい歌や、かわいらしい歌、美しいバラードや、時にはロックのようにメッセージ性が強い曲がたくさんあるのです。私は声を大にして言いたい。「若者よ!シャンソンを聴きたまえ!」と。私はこうしてシャンソンの魅力に惹かれ、もっともっと多くのシャンソンに出会いたいと思うようになりました。そして、シャンソンを勉強するたびに、今度は日本語ではなくてフランス語で歌いたいと思うようになりました。そして歌の中に出てくる、いろいろなフランスの都市に行ってみたい。もっともっとフランスの文化を知りたいと思うようになったのです。シャンソンを始めてからも、なかなかフランス語で歌う勇気がありませんでしたが、やはりどうしてもフランス語で歌いたくなって、よし!それなら歌のためにフランス語を勉強してみよう!ということで、今年の1月から横浜日仏学院に通い始めました。

 

毎年6月は横浜市フランス月間と称し、パシフィコ横浜で行われるフランス映画祭や、横浜市と姉妹都市であるリヨンの食文化を味わうイベントなどが催され、横浜中がトリコロールに染まります。横浜市と1959年に姉妹都市提携を交わしたフランスのリヨンは、横浜港から輸出された生糸がリヨンの絹織物産業の発展に貢献したと言われ、そんな絹の縁で、現在のような横浜とフランスとの文化交流が始まりました。そんな横浜市と縁の深いリヨンの町にも、是非訪れたいと思っています。私の好きなこの横浜で、4年後の横浜開港150周年の年に、私はシャンソンフェスティバルを実現させる。それが私の目標です。4年という期間は長いようであっという間。この4年間は、私にとって勉強期間です。そして、将来フランス語が上達したなら、音楽のみならず、横浜とフランスの文化交流に微力ながらも貢献したいと思っています。