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第29期奨学生の留学体験レポート

 

マルセイユ観光ホームステイ 玉利恵子様

 

マルセイユ観光ホームステイ
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 2020年2月、マルセイユ観光ホームスティにL’institut DESTINATION LANGUES語学学校受講を付帯して2週間短期留学をしてきました。
 マルセイユは紀元前600年に開港した最大の港町で、現在でもチュニジアやアルジェリア行きフェリーも出ており様々な人種が行き交う国際都市です。以前はあまり治安が良くないような事も聞いておりましたが、今では港周辺の観光名所などは綺麗に整備されていて、特に多くの観光客が訪れている中心地街は一人でも行動しやすいところでした。また、マルセイエーズはマルセイユの温暖な気候と同じように心暖かい人々でした。私の話すフランス語も温かく受け止めてくださり、フランス語会話を実践できる、大変満足な環境でした。


ホームスティ先の大きなお宅にはマダム、ご長男が住まわれ、そしていくつかのキッチン、バス・トイレ付きお部屋を賃貸されてました。私はそのうちの1つ、バス・トイレ付きのお部屋にスティしました。広さは十分で、綺麗な部屋で快適に過ごせました。お食事は二食付きでしたので、朝食は学校のスケジュールに合わせて8時頃に。パン、カフェ、ジュースなどを頂きながら、その日の日程をお話しして、“à ce soir !”と挨拶して学校へ。夕食は20時半から。いつもエレガントな着こなしのマダムが素敵なテーブルコーディネートと手作りで美味なお料理をご用意してくださいました。2人だけの夕食の日もあれば、お孫さん達や賃貸で住まれている日本人の方もご一緒の時もありました。マダムからはご家庭の歴史や年金のことなど、様々なお話を伺え楽しい時間でした。また、食事中は日常で使われているフランス語を知る良い場となりました。例えば、お孫さんとご一緒した際に、“チーズは如何?”と質問した時に“ボンコー”と返ってきました。意味を尋ねると“va encore”(後でもう一度頂くよ)ということ。会話でこの様に使う事を初めて知り、新鮮さを感じました。さりげない日常の中で使われている生きた言語も学べたことは、日本ではできない貴重な体験でした。こういう積み重ねが語学レベルアップにつながる事をつくづく実感した次第です。


 語学学校はスティ先から地下鉄で20分ほどのBaille駅近くにあります。教室が3部屋の小規模の学校でした。クラスの人数はクラスによりますが4人から12人ほどで、先生と生徒の距離がとても近かったです。学生はマルセイユ在住が長い、欧米人、南米、ベトナム人が多く、クラスの中には学校に通いながらアルバイトや仕事をしている人達、大学入学を目指してる人達がいました。冬時期のためか、短期留学の日本人は私だけでしたが、どのクラスでもフレンドリーに迎え入れて頂き、発言しやすいクラスでした。また、授業が何もかも初めてで不安である事を先生にご相談した時も、“最初だもの。C’est normal。”と勇気づけられたり、クラスメートに“慣れるよ”と励まされたり、学校の雰囲気が本当に良かったです。受講したクラスはB2(チャレンジのつもりで受講を勧められた)、B1、オーラル、文法、作文で週20時間でした。どのクラスも教科書(ENTRE NOUS 4, ÉDITO など)やプリントはありますが、先生が様々な学習材料をとりいれてくださるので飽きる事なく集中力が高まりました。B2クラスの読解においては、分からない単語を色々な単語を使って言い換えて教えてくれます。一つの単語から多くの言葉を学べるので、1日に相当の量の単語をインプットされた感じでした。翌日にはその単語を一人ひとりに割り当てられ、自分の言葉で説明できるようにします。また、授業中は“どう思うか”と意見を求められことが多かったです。発表の機会もありました。テーマは自分自身が気になるactualité (時事問題)を取り上げます。私は日本出発時にコロナウィルスがアジアで拡散していたので、その状況とコロナウイルスの説明、今後の展開を交えながら話しました。クラスメート達が興味を持って聴いてくれたのは嬉しかったです。オーラルのクラスでは即席でアナウンサーになったつもりで2分間で選んだテーマ(エコなど)について話もしました。発表の機会は日本のアンスティチュ・フランセでも経験していたので、それがとても役に立ち、活かされました。現地在住の学生が多いので、口を動かすことに慣れていて、B1クラスでさえも文法などを気にせず話していました。また、クラスではフランスのreprocheについても知る機会を得ました。“フランス人は良くreprocheをするんだよ。こんな感じに。日本人は面と向かって本当のことを言わなかったり。ベトナム人は…。北欧の人は…。”と知り合って間もない先生が仰ったので、困惑しながら”私はアメリカに留学してたから、本当の事を言うのは大事って思うわ。コミュニケーションには必要だと思う”と答えました。すると、不思議な感じで“今は日本人の旦那さんとここに住んでいるから?…”のような事を聞いてきました。少し呆気に取られていると、アメリカ人の友人が“彼女は日本から来たばかりだよ”と助け舟を出してくれました。その後、“désolé ”(ごめん)と先生は言われてましたが、何となく以前から聞いていたフランス人の本音を互いに言い合うコミュニケーションの取り方かと実感しました。なかなか2週間の短期留学では知り得ないフランスの一面に触れ、現地に少しばかり踏み込めた感じがしました。その意味で語学のみの学習だけでない、内容が濃い授業であったと感じました。


お昼休みは外食、又は学校近くのboulangerie でパンを購入し、学校で食べたりしました。
クラスのスケジュールによって、クラスメートと一緒だったり、1人の時もありました。
学校のアクティビティは冬時期で少なかった為、授業後にベトナム人のクラスメートとマルセイユの街中を散策、そしてホームスティ先のマダムとはマルシェをご一緒しました。週末は一人旅でセザンヌの故郷Aix-en-Provenceや海の絶景Cassisにも足を伸ばしました。どこでもフランス語でコミュニケーションをとれたのは本当に嬉しく思います。観光案内所で資料を頂いたり、バス停を色んな人に尋ねて探し回ったり、学校帰りには美味なスイーツやクレープを食べ歩いてboulangerie の人に親切にしてもらったり、観光地では現地の方と話したり、順番待ちをしてる時は“彼女が先だよ”と言ってもらったり、1人でいる時間もマルセイユの暖かい人達のおかげで楽しい良い思い出が沢山できました。


今回の短期留学で日本だけで勉強していたら知り得ない日常で使われてる言葉、スラングを知ったり、街中や車中の標識でさえも勉強になったり、フランスの生活、フランス人の生き方など垣間見たり、机上では知ることのできない多くの経験をさせて頂けたことに大変感謝いたします。
滞在中にクラスメートと勉強の目的について意見交換した時に、大学に入る為、仕事する為など生活に必要な状況だからDELF・DALFを目指してるとの事でした。DELF・DALFを持つ意味の重さを感じました。
今後の抱負としては、日本にいながらもフランス語をさらに実践して使える場を探してレベルアップを測りたいと思います。そして、フランスの文化や歴史的背景なども学びたくも思います。
この留学に際して、ご協力いただきました日仏文化協会、貴協会の鈴木様、マルセイユの現地スタッフの近藤様、本当に有難うございました。