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第21期奨学生の留学体験レポート

 

白井拓朗 様

 

白井拓朗 様私は西洋の歴史を学びたいと思っていました。西洋史を学ぶならば英語だけでもよかったのですが、私は大学で第二外国語としてフランス語を選択しました。なぜ、フランス語を選択したのかというと、高校の図書室にあったジャンヌ・ダルク、ルイ14世、フランス革命やド・ゴールなどについての本を読み、フランスの歴史・人物に興味を持ち、いつかは自分の目でフランスを見たいと思っていました。


フランスに行くならばまずフランス語が話せなければ意味がないと考え、フランス語の勉強を自分なりに一生懸命やりました。しかし、フランス語は難しく、なかなか上達しませんでした。もっとフランス語を学び、フランス語らしい発音をしたいと思い、大学2年生の春に1か月間の短期留学に行きました。留学先はフランス東部にあるブルゴーニュ地方のディジョンという街でした。ディジョンは中規模の都市で、街の中心部にある建物の屋根はブルゴーニュ地方特有の綺麗な瓦で覆われていて、とても綺麗な街でした。


語学学校の授業ではフランス人の先生の早いフランス語に慣れず、クラスで一緒だった他の留学生と会話するのもやっとの状態でした。しかし、街のカフェに行き、授業で習ったばかりのフランス語のフレーズでギャルソンに話しかけ、毎週土曜の朝に開かれているマルシェに行って新鮮な果物や古本などを購入するために店主の人と値段を交渉し、安く買うことができた経験はとても新鮮なものでした。1か月間の滞在でしたが、滞在中に経験したことは素晴らしい思い出になり、集中的にフランス語を学ぶことができて本当に良かったです。私はさらにフランスについて興味をもち、フランスの歴史をもっと詳しく知りたいと思うようになりました。


そのきっかけとなったのが、留学生用の寮の近くにフランスの旧植民地であったアルジェリアとヴェトナムで戦死したディジョン出身の兵士を追悼するモニュメントが建てられていて、それを見た私はフランスの植民地に興味を持ち、帰国して卒業論文のテーマに植民地を選び、書き上げました。そして、もっとフランスの植民地について研究したいと考え、私は大学院に進学し、フランスの植民地についての研究を続けました。


大学院で研究を続けていく中でまたフランスに留学したいという気持ちが高まり、今度は長期で行くことを決心しました。長期留学を決意した最大の理由としては、今回、私が行くエクス=アン=プロヴァンスには17世紀から20世紀までのフランス植民地に関する歴史史料を所蔵している文書館があり、これまで2週間ぐらいの史料調査に行っていました。しかしながら、この文書館に所蔵されている史料は膨大で、短期の史料調査だけでは見たい史料のほとんどが見ることができず、ぜひとも長期で史料を閲覧したいと思ったからです。


フランスがとても大好きな私はもっとフランス語を上達させたい、自分の研究に必要な史料を見てきたいという目的をもって留学に行きます。そして、フランスを形作っている各地の様々な文化に触れ、その歴史を学ぶことによりフランスのことをもっと知ることができるのではないかと思っています。
今回、奨学生に選んでいただき、留学のレポートを書く機会をいただけたので、レポートを通して自分が経験したこと、文書館のこと、フランスの歴史についてこれからフランスへの留学を考えている方に興味をもってもらえるような情報を発信することができれば幸いです。