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第17期奨学生の留学体験レポート

 

志賀 未望様 自己紹介

 

志賀 未望様 私は中学生のとき、市の姉妹都市派遣プログラムに参加し、海外に興味を持つようになりました。初めて違う国の同年代の人たちと交流していくうちに彼らから刺激を受け、今までの私の視野がいかに狭いかということをとても実感しました。このことをきっかけに「自分の目でもっと海外をみてみたい、もっと多くの人たちと関わっていきたい」と思うようになりました。

 

高校生から始めたアフリカ給食支援を仲間たちと行っているうちに、漠然としていた夢が国際関係や植民地政策などについて興味を持つようになりました。給食支援を行っていたアフリカ大陸の多くの国々では貧困や飢餓問題、紛争などで苦しんでいるという現実を学び、少しでも役に立ちたいという思いが強くなっていきました。同時に、多くの国際機関がその状況を打破しようと活動している様子も知り、私もこのような職業につきたいと思うようになりました。その機関で使われているのは主にフランス語だということを知り、大学で学びたいと思い始めたことが、フランス語との出会いです。


大学に入学したけれども、経済学部に所属しているため、フランス語を専攻するというカリキュラムではありませんでした。しかし、第二言語として選択することができたので、迷わずフランス語を選びました。さらに、私の大学ではあまり海外との接点を持つことができない環境でした。環境が整っていない状況でしたが、高校時代に描いていた夢を捨てきることができず、できる範囲で環境作りに励みました。国際関係や植民地政策などを扱う授業は一つもありませんでしたが、関係がありそうな教授のもとへ訪問して少しでも情報がないかと収集に励んでいました。この経験によって、整っていない環境の中でも自身の努力次第で道は開けるという自信につながっていきました。

 

また、いろいろと情報をあつめていくうちに、特に西アフリカについて学びたい・訪れてみたいという新しい夢も加わっていきました。もちろん、西アフリカについては知る機会が少なく、さらに私の大学で専門的に扱っている教授はいませんでした。けれども、アフリカに関係する方とお会いする機会を作ったりセミナーに参加したりしていくうちに、フランスとの関係性が大きいということに気づき始めました。さらに、教授の誘いを受け、セネガルへ行く機会をいただきました。2週間という短い時間ではありましたが、私の夢であったことが一つかなったことで今まで味わったことがない達成感でいっぱいでした。滞在中は新しい発見の連続で、五感がフルに回転していました。とても貴重な経験をさせていただいたのですが、大きな反省がありました。それは、「ほとんどフランス語を使うことができなかった」という点です。セネガルはフランス語圏アフリカであるので、公用語がフランス語です。多くの人がフランス語で話しかけてくれましたが、聞き取れなかったり言いたいことがあっても言い方がわからず伝えられなかったり、悔しい思いばかりでした。私の中では一生懸命フランス語を勉強してきたつもりでしたが、ほとんど始めたころと何にも変わっていないと気づきました。そこで、今回フランスへ行き、しっかりとフランス語を習得したいと思い、留学を決意しました。


滞在中には語学を勉強することはもちろん、フランスでしかできない体験をしたり、美術や文化に触れたりしたいと思っています。例えば、私が滞在する地域は古代遺跡が多く残っている地方です。近くにそのようなすばらしい歴史資源があるので、活用したいと思っています。なので、滞在中に仲間たちと遺跡めぐりをしたいなと考えています。さらに、多くの芸術家が足を運んでいるという美術資源も豊富な場所であるので、美術についてもしっかりと学びたいです。今まで学ぶことが少なかった分野についても学べるということを生かして、できる限り様々な場所に足を運ぼうと計画しています。また、フランスの文化や芸術、歴史などに触れることも大切にしながら、自国の文化や歴史を伝えることも行いたいと考えています。文化や歴史だけでなく、食文化や日本の大学生がどんなことを行ったり勉強したりしているのかなどといった、今でしか伝えられないこともしっかりと伝えたいと思います。特に、私は弓道や柔道を経験しているので、一緒に取り組みながら文化を紹介できたらいいなと思っています。きっと、多くの人が日本について興味や関心を持ってくれると思います。しっかりと、「日本代表」として、魅力ある日本を伝えられたらいいなと思っています。なので、出発前にしっかりと日本や地元のことについて勉強していきたいと思います。

 


私の大学では留学する人が少ないため、多くの人が私の留学に驚いています。さらに、英語圏ではないということもさらに驚きを大きくしている要因だと思います。日本にいると、英語教育が盛んに行われていることが誰でもわかります。たしかに、英語は多くの話者数がいる言語であるので、英語を話すことによって世界を知ることができるでしょう。けれども、私は英語だけが世界を知る唯一の手がかりだと思っていません。先日訪れたセネガルでは、世界共通語と言われつつある英語がほとんど通じません。また、自然科学や人文科学、社会科学など様々な領域において、フランス語が存在感を示しています。このように、世界を知るための手段として、学問分野を学習する手段として、英語だけでは限界があるのです。フランスに私が留学することによって、多くの人が留学について興味を持ってもらえるように、さらにはフランス語に興味を持ってもらえるように魅力を伝えていけたらいいなと思っています。