新井洋子様 エクサン・プロヴァンス留学

パワーアップ&バージョンアップしました?!

私は昨年5月にToursに短期留学した。その体験があまりにも素晴らしかったので、もう一度留学したいと密かに思っていたところ、「来年は東京オリンピックだから、チケットが取りにくくなるかもしれない!」という夫の言葉に勇気づけられ、“渡に船”とばかりに今年行くことに決めた。  
留学先として、近代絵画の巨匠たちが名画を残し、初夏なら温暖で21時まで明るい南仏で、自主性やコミュニケーションを重視した《大人のための》授業を展開している「IS校」を選んだ。

CDGから90分でマルセイユ・プロヴァンス空港に到着。空港で現地スタッフが出迎えてくれて、ホームステイ先まで案内してくれた。清潔で使い良さそうな部屋で、もう一人の留学生(Sarah:19歳のアメリカ女性)が私の上の部屋らしい。
ホームステイ先から学校までは徒歩15分。初日にレベル診断テストがあり、筆記試験は時間が足りなかったが、会話試験のほうは想定内の質問だったので上手く話せたと思う。その後オリエンテーションとして街への散策があり、歩きながら何人かの留学生と話し、ランチをともにした。

2日目からレベル別のクラスで授業。私のクラスは7人でドイツ人、アメリカ人、ブラジル人、スウェーデン人がいた。この時期、学校に日本人は私しかいなかったが、大阪大学に4年間留学したことがある講師がいて、ホッとした。
授業の進め方は先生が出す課題について生徒が相談して発表するという方法で、私以外の留学生は英語で話すので、先生から「フランス語で話しなさい!」と注意される。そんな中で、私なりに日本の生活習慣、食文化をPRできたと思う。

エクスカーションとしてモナコの日帰り旅行に行った。バスの中は多言語が飛び交いとても賑やか。私もその中で埋もれないように懸命にフランス語を話した。留学生のほとんどは社会人で、話題も豊かで学ぶ意欲に溢れていた。

渡仏前に学校へ提案して実現した「書道体験教室」は、金曜日の15時にもかかわらず数人が参加してくれた。フランス語で CalligraphieをPR出来て私のバージョンアップにもなった。ホームステイでは美味しい料理とワイン、楽しい会話で毎晩パーティのようだった。ある日の夕食に私がカレーライスを作ったが、12皿分もできたので半分ほど残ってしまい、翌朝、マダムが大きな容器を2個見せて「カレーとライスを職場に持って行くんだぁ~」と言うので二人で笑ってしまった。マダムの職場でも私とSarahのことが話題になっているのかもしれませんね。

こんな感じで留学が完了すれば「Parfait」だったのに、Travelにはトラブルがつきもの。私はスーツケースの暗唱番号を変えてしまい、現地スタッフと東京スタッフを巻き込んで大騒ぎ。「000」から「999」まで試したけど開かず、結局、マダムが鍵屋さんに持ち込んで直してもらった。また、サント・ヴィクトワール山のエクスカーションに参加しようとした時は、フランスが左ハンドルであることをすっかり忘れて反対の乗降口で待っていたので、結局バスに乗ることができなかった。

盛りだくさんの思い出を作って、無事帰国。帰国後お礼の手紙と写真をマダムに送ったところ、メールの交換をするようになり、6月下旬に南仏を熱波が襲った時は私から、10月に日本で風水害があった時はマダムからお見舞いのメールが届いた。2度目の語学留学は「Parfait」ではなかったけど、会話の機会や文化交流においては昨年よりパワーアップ&バージョンアップしたのではと内心思っている。