平井美宇様 ディジョン留学

A1クラスのメンバーと

私はフランス中部、Dijonにあるブルゴーニュ大学付属の語学学校CIEFに8月27日〜9月14日までの3週間留学していました。DijonはパリからTGVで南東へ2時間ほどの所にある、人口約15万人の都市です。

Dijon駅からトラム(路面電車)で15分ほどのGresille駅から徒歩約10分のところに寮があり、そこからCIEF は3駅先のErasme駅前にありました。
到着翌日にクラス分けテストがありました。大学で第2外国語として2年程度フランス語を履修していましたが、リスニングもライティングも何を問われているかさえさっぱりわからず、これから授業をやっていけるのか不安に襲われました。

CIEFの教室

案の定、一番下位のA1クラスになり、クラスのメンバーの11人中10人が日本人でしたがそれが逆に心地よく、授業も集中できる環境でした。
同じクラスにボリビア人の方がおり、仲良くなりました。現在大学で、日本語教員養成課程を履修しているのですが、その人に日本語を教えるという貴重な経験をすることができました。

授業は1回2時間(水曜日は3時間)で、月・火・木曜は1日に2クラスありました。当然ながら全てフランス語で行われ、私のクラスは授業中に辞書を使用することが禁止されていました。そのため、初めのうちは単語の説明さえ何を言われているかわからず戸惑いました。しかし、2週目あたりから、突然先生が何をおっしゃっているのかがほぼ全てわかるようになり、授業がより楽しくなりました。

火曜日と土曜日にあるマルシェ

毎日課題が山ほど課されると事前に聞いておりましたが、私のクラスは少なく、出ない日もありました。宿題がない分、授業の復習をする時間を十分に確保することができたように思います。
水曜日と金曜日は午前中で授業が終わるため、Darcyという中心街やToison d’or というショッピングセンターに買い物に出かけたり、友達とランチやおやつを食べに行ったりしていました。

寮の部屋は1人にはちょうど良い大きさで、過ごしやすい環境でした。1階の共有スペースで毎日夜に勉強をしていましたが、そこで他のクラスの人と交流することができました。1台のテレビを囲んで、サッカーのフランス代表戦がある日にはみんなで観戦し、盛り上がりました。

Place de la Libération

最初の週末はDijonからTGVで30分ほどの距離にあるBeauneへ、2週目はTGVで2時間ほどの、ドイツに近いColmarという街へ1人で出かけました。Dijon駅でフランス語を使ってTGVのチケットを購入し、降りる駅を何度も確認したり、必死に地図を見ながら行きたい場所まで行ったりと、初めての海外での一人旅は緊張しました。しかし、どちらも本当に素敵な街でした。特にコルマールは建物が綺麗で、思わず何枚も写真を撮ってしまいました。クリスマスにはイルミネーションやマーケットがあるらしいので、もう一度訪れたいと思いました。

授業後に出かけた美味しいワイン屋さんで

Dijonは街の雰囲気がよく、本当に住みやすいところでした。30度を超える日もありましたが、大抵は25度前後で過ごしやすい気候でした。
ある程度フランス語は聞き取流ことができるようになったものの、話すことが苦手だったので、必要に応じて英語を使っていました。フランス語、または英語が少しでもできると、現地の人と円滑にコミュニケーションをとることができるのです。母国語以外の言語を学ぶ必要性を感じました。今まで英語は好きではなかったのですが、今回の留学で英語も必要であることを再認識しました。

また、留学中にベルギー人のおじいさんとお話しする機会がありました。彼はベルギーの北部に住んでおり、フラマン語を母語としていたのですが、フランス語を学びたいと思い、CIEFにいらっしゃったそうです。毎日フランス語の本を読み、勉強し、寮の人たちとフランス語でお話ししている姿に感動し、自分ももっと勉強をしなければならないと気が引き締まりました。

食堂のお昼ご飯
3.25ユーロで食べることができます。

日本にいる間は、高校、大学で学んだら就職をするという流れが当たり前だと思っていましたが、フランスで日本人を含む様々な出会いを通して、周りに縛られず、自由に生きていけば良いのだ、と少し将来に対する視野が広がったように思います。
3週間は長いと思っていましたが、過ぎ去ってみるとあっという間でした。4週間にしなかったことを後悔しているくらいです。日本に帰国してからも会いたいと思う、かけがえのない友人たちと出会うことができましたし、フランス語をもっと勉強したいという意欲も向上しました。
帰国して数週間経った今でも、留学生活の一瞬一瞬を鮮明に思い出すことができるほど、この3週間は私にとって一生忘れることのできない、貴重な体験となりました。

必ずまた日仏文化協会のこの留学プログラムを利用して、今度は長期の留学をしたいと考えております。
日仏文化協会の大阪ビューローの鈴木さんには行くまでの手続きや、質問に一つ一つ丁寧にお答えいただき、不安を取り除くことができました。
現地スタッフの佐藤さんには、Dijonに到着してから、入寮手続き、初日の大学の入学手続き、定期券の購入、街案内、お見送りなど様々なサポートをしていただきました。大事な場面に常に一緒にいてくださるとともに、出発日の朝早い時間でもお見送りをしてくださり、安心することができました。心より感謝申し上げます。ありがとうございました。