巽智子様 ブレスト留学

フランス留学を終えて

この夏、八月の半ばから九月の初めまで、約三週間フランスに短期留学をした。私が行ったのはフランスの北西の本当に端にあるブレストという都市。なぜそんな端っこのほうの都市を選んだかというと、そこの語学学校は(もちろんその街にも)日本人が少ないということだったからだ。私は以前、アメリカに短期留学したことがある。そのときは日本人の団体で行くもので、常に日本人に囲まれている環境だったため語学力はあまり伸びなかった。そういう経験があったため、今回は個人で、そして向こうでも日本人があまりいない場所にしようと思ったのだ。

結局その選択は正解だった。ブレストの語学学校のCIELには数人の日本人しかいなかったし、日本語で話すことはとても少なかった。またそれだけでなく、CIELは少し郊外にあるが、その分とても周りの環境が良かった。すぐそばに海があり、ヨットがたくさん浮かんでいて、きれいな橋があって、とても開放的な感じだった。学校自体もとても良かった。授業は工夫されていたし、施設も充実していた。なにより感心したのは、そこに通ってくる生徒が概してやる気のある人たちだったことだ。学校で知り合った色々な国の友達とコミュニケーションできたことは本当に楽しく、意義のあることだった。フランスでの生活の中心は学校だったし、私はフランス語を楽しくたくさん話すことが一番の目的だったので、学校が満足のいくところで本当に良かったと思う。

また、ホームステイ先の家族もとても素敵な人たちだった。私のホストファミリーはご夫妻二人だった。とても親切だったし、何より、ブルターニュ地方やその文化などについて精通しているので、色々な話を聞けてとても面白かった。そこのムッシュはなんと日本語の先生をしている人で日本語が堪能でびっくりした。なるべく日本語は使わないようにしたが、逆に私の未熟なフランス語では出来ないような複雑な話も日本語を助けにして出来たので良かったと思う。私はたった1年半しかフランス語を勉強していないので、今回フランスに行って、もっとフランス語が上手だったら、と毎日のように思っていた。だからこれからもフランス語を勉強し続けたい。とはいえ三週間向こうにいて、実際に上達を感じ、とても嬉しかった。

ブレストのあるブルターニュ地方はケルト系の特殊な文化を持っていて、それも興味を引いた。中でも面白かったのはその地方の言語、ブルトン語で、語学学校でそのクラスがあったり、またホストファミリーに少し教えてもらったりした。

観光としては、フィニステール県の中心であるカンペールや、サンマロ、モンサンミシェルなどに行き、どれも綺麗な街だった。中でもサンマロは城壁に囲まれた街も味わいがあって良かったし、なんといっても海が本当にため息が出るほどキレイだった。クレープなどの特産もおいしかった。
今回の短期留学は全体としてとても充実していた。フランス語を勉強することによって文化や生活にも直に感じられたような気がする。