34期奨学生

石原 茉依様(レポーター) リヨン留学3

リヨンでの4ヶ月を振り返って

◎学習面

・良かったこと

 最初はクラスメイトのレベルの高さに戸惑うことや、合っていないのではないかとしんどく思うこともありましたが、結果としてはこのグループで勉強できて本当によかったと思います。

特に良かった点は主に2点です。

 1つ目は、周りのレベルが高いので分からないことや困っていることがあったら、クラスメイトに聞くことができたことです。

 例えば、私の場合、特にリスニングに課題がありました。そこで、リスニングが得意なクラスメイトに練習方法やおすすめのYouTubeチャンネルなどを聞いて、毎日、少なくとも10分以上フランス語を集中して聞く時間を設けました。

 また、授業の休憩中には可能な限りクラスメイトと話すようにしていました。話している時に知らない単語があったら、「◯◯って何?」と質問したり、「こういう時何て言うの?」と聞いてみたり、授業中に何かを質問するよりもさらに気軽に勉強できました。

 2つ目は先生の意識もB1からさらにB2、C1と次のステップを見据えた指導をしてくれた点です。もちろん、まだまだB1の内容も完璧ではないのですが、「B1ならこの文法は知っておかないといけないよ」「B2に進むには、その文法事項を知ってるだけでなく、使いこなさないといけないよ」など、分かりやすい目標を示してくださり、日々モチベーション高く過ごすことができました。

 しかし同時に、「ただレベルをクリアするだけが語学学習ではないから、もし不安な項目があったら何度でも繰り返して基礎を固めることも大事」といつもおっしゃってくださり、安心して勉強することができました。

 リヨンカトリック大学の語学学校は、授業の質が高いことに定評があると伺っていましたが、まったくその通りで、授業内容やスピードはもちろん、先生やクラスメイトの姿勢からさえも、次のレベルにステップアップするぞ!という意気込みを感じました。

 留学でしっかりと語学のレベルアップを目指したい人には、とてもおすすめな学校です。

・もし「次回」があったら再挑戦したいこと

 クラスメイト全員と、まんべんなく話すことです。

 クラスが確定して最初の1ヶ月くらいは、できるだけいろんな人と話そうと思い、1週間ごとに座る場所を変えてみたり(席は決まっておらず、自由に座れます)、休憩時間に普段あまり話したことのない人に話しかけに行ったりしていました。

 しかしやはり、しばらく経つと話しやすい人や話が合う人が出来てきて、最終的にはいつもほぼ同じ人たちとばかり話してしまっていました。

特定の人と仲良くするのももちろん楽しいですし、それもまた良い点があるのですが、4ヶ月とあまり長くない期間だったので、もう少し、多くの人と話す努力があっても良かったなと思います。

◎生活面

 私は4ヶ月間、ほぼホームステイで過ごしました。元は貸し部屋という、一般家庭のお部屋を間借りするスタイルの予定でしたが、夕食を週に3回一緒にとることにしたため、「ほぼホームステイ」となりました。

 小中学生くらいのお子さんが3人いらっしゃるご家庭で、イベントがあるとしっかり飾り付けをしてパーティーをしたり、子どもたちも含めご近所さんと一緒に夕飯を食べたり、本当にフランスらしい暮らしを経験させてもらえました。

 ハロウィンには(子供たちが)仮装してパーティーがあったり、クリスマスは家族でパーティー、1月はみんなでガレットデロワ、時にはご近所さんのお宅に夕食にお招きいただいたり、マダムの親戚や同僚の方たちとアペリティフをしたり。イベントだけでなく、道端や郵便局、スーパーでばったりご近所さんと出会ってちょっとした会話があったり。4ヶ月は決して長くはない期間でしたが、現地に溶け込み生活することができました。

 寮暮らしだったら、それもまた違った経験ができていたことと思いつつ、ホームステイさせてもらえるのは本当に貴重な経験です。

 ステイ先のファミリーとの相性が良くなかったら…学校や街の中心まで交通の便が悪かったら…などと、寮なら考えなくてもいいであろう不安もあるとは思いますが、私はまた機会があるのなら、次回もホームステイを選ぶと思います。現地の人と生活ができることはもちろん、フランスにも家族ができたような、そんな心強さと嬉しさが魅力です。

◎バカンス、休日の過ごし方

 秋学期では1-2週間ほどのバカンスが2回ありました。1回目は10月末、2回目はクリスマス〜年始にかけてでした。

何度も訪れたボーヌの街
週末の午前中には朝市が開かれとても賑わいます。

 私自身、もともと旅行好きということもありますが、休日は近場に日帰り、バカンス中は少し遠くへ泊まりで旅行に行っていました。

 ユーレイルパスというセミフレキシブルな電車のパスを買い、その時々の天候や気分で行き先を決めてフランス中あちこち回ることができました。

 ワインが好きなので、ボーヌ、ボルドー、ランスなどワイン産地を巡ったり、大聖堂を見にシャルトル、アミアン、クレルモン=フェランなどに行ったり、前回のホームステイのホストマザーに会いにストラスブールに行ったり。自分の中である程度のテーマはありつつ、友達やご近所さん、ファミリーからおすすめしてもらった街へ出向くこともありました。

大抵は1人で出かけることが多く、たまに寂しく感じることもありましたが(特にレストランで料理をシェアできない時など…)、1人だと、同じく1人の方が話しかけてくれたり、自分からお店の人に積極的に話しかけるようになったり、出会いが広がります。

 多くの街へ出向いたからこそ、その違いを肌で感じることができ、自分は何が好きで何が1番大切なのか、価値観に気がつくことができました。

◎友人関係

留学に行くとなると、まれに、「日本人とは絶対関わらない、日本語は喋らない!」と決め込んでしまう方がいます。

フランス人のお友達とたこ焼きパーティー。
日本語を勉強している子で、なんとその子の自前のたこ焼き器で一緒に作りました。

 たしかに、せっかく現地に行くのですから、できる限りフランス語を話した方がいいのは事実です。でも、異国で生活すれば、不安になったり、気分が落ち込むこともあります。そんな時はやはり日本語を話すことも必要だと思います。

 また、学校で知り合った日本人の友達からフランス人の友達を紹介してもらえたり、別のクラスの日本人の友達と同じクラスの友達と知り合って、フランス語で話す機会が増えるということもあります。実際に私はそんな風にして、フランス人の友達もできましたし、そのフランス人の友達からさらに他の国の友達を紹介してもらうこともできました。出会いはどのように繋がっていくか分からないものなので、日本人でもそうでなくても、まずは出会いを大切に、関係を築いていくことが重要だと思います。

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