吉田 真綺様(仮名) 自己紹介

初めまして、修士課程2年の吉田と申します。夏からフランス南部のモンペリエにて、1学期間の語学留学を予定しています。今回は、私の留学の志望動機と、今のタイミングで留学に踏み切った背景についてお話しします。

単刀直入に申し上げると、私がフランス留学を志望する理由は言語の上達を加速させたいからです。将来的にフランス語のレベルを上げることができた暁には、いつか国際機関で働いてみたいと思っています。国際機関の公用語や常用語にはフランス語以外にもたくさんありますが、私が勉強していてわくわくするという点、かつ大学の授業で入門段階の学習が済んでいるという点から、フランス語の習得を目指すようになりました。

学部時代は第二外国語の授業を受けていましたが、大学院に入ってからは専門分野の勉強に追われて時間的制約ができてしまったため、自分でできる範囲の独学のみでフランス語を勉強してきました。具体的には、学部で使っていた教材を見直したり、検定対策本を使ったり、スマホアプリのDuolingoを使ったり、スポンジボブをフランス語で観てみたりなどしました。今まで学んできた基礎的な内容を維持するためには適量ですが、今後ビジネスレベルまで引き上げることを想定した場合は不十分だと感じました。
なかでも特に自分だけではカバーできないと強く感じたのはスピーキングです。音楽や映画のセリフを真似たり、Duolingoのスピーキング問題に取り組んだりすることはできますが、フランス人が日常的に使う生きた会話を知ることはできません。将来フランス語を使って仕事をするのであれば、現代の日常会話で使われているような自然な言い回しや語彙を知らずにいることはとても大きな課題だと思うようになりました。

自然なフランス語の会話力を身につけるにはどうするべきかと悩んでいた時、偶然にも大学院の研究会でフランス留学から帰国したばかりの方と知り合う機会がありました。よく話をきいてみると、同じ大学院生で、同じく将来的に国際機関で働くことを夢みていて、フランス語を強化したいと考えている、奇跡的に同じような状況にいる方でした。この先輩からフランス留学についてお話を伺っているうちに、私も留学に行くのであれば今がベストタイミングなのではないかと考えるに至りました。
偶然にしては出来過ぎているかのような先輩との出会いがあり、私の中で「留学」という選択肢が急浮上しましたが、すぐに「行こう!」と決意が定まったわけではありませんでした。

両親の仕事上小さい頃から転校が多く、海外に住むこともあったため、海外に行きたいという気持ちは昔からありました。しかし、いざ留学となると全くの別件です。今まで一緒に来てくれていた家族は日本に残るので、学校で言語の壁を感じたときや、カルチャーショックで苦しんだとき、家に帰っても励ましてもらうことができません。今まで海外生活を乗り越えることができたのは、「どんなに辛いことがあっても家にさえ帰ればあたたかい環境がある」という安心感があったからだと思っている私にとって、ひとりで行く留学に対し大きな不安を感じていました。

しかし、国際機関勤務という夢の仕事に向けて、自分の好きな目的で、好きな国・都市で、好きな学校で、好きな滞在先で勉強をすることができるという恵まれたチャンスは、おそらく何度も巡ってくるようなものではありません。ましてや大学院を卒業して就職した後に留学を計画する場合、勤め先によっては退職せざるを得ない状況になる可能性もあります。留学に伴って休学をし、卒業年度がずれ、就職活動も1からやりなおしになり、学部の交換留学が主流になっている状況下で、語学が専門でない大学院生が語学留学に行くというイレギュラーさを抱えるなど、不安なことは数え切れないほどあります。正直、出発まで1ヶ月を切った今でさえ、恐怖と戦っています。でも今しかない貴重なチャンスをものにするべく、恐怖と向き合いながら強い心を保って挑んできます!