加茂 奈菜未様 自己紹介

 こんにちは。春に大学を卒業したばかりの現在社会人1年目の加茂奈菜未と申します。今年の9月からモンペリエとリヨンに半期ずつの留学を予定しています。今回の初レポートでは、なぜ留学を決めたのか、なぜモンペリエとリヨンを選んだのかをお話しできればと思っております。留学を検討中の皆様に少しでも参考になれば嬉しいです。

 私がフランス語を学び始めたのは大学1年生です。それまで特別フランス語に興味があったというわけではありませんが、幼い頃から日本には無い景色、人種・文化・言語の違いなど普段目にすることのない壮大な世界に興味があり、その知的好奇心から海外にまつわることについて勉強することが好きで、高校までは特に英語を熱心に勉強していました。そんな私がフランスに出会ったのは高校3年生の進路を決める頃です。ある日街中で突然出会った香りが私の好みど真ん中で、それをどうしても忘れることが出来ずひたすら同じ香りを探していくうちに調香師という職業に辿り着きました。何か特別将来やりたいことがあるわけでもなく進路について悩み続けていた私にとっては、その聞いたことのない職業への興味が一筋の光に感じました。調香師について掘り下げて調べていくうちに本場であるフランスに辿り着き、その時ふとフランス語を勉強して調香師になるためにフランスに行こうと思いつきました。この時王道の英語よりフランス語を学ぶのも面白いのではないかという考えが後押しし、フランス語の学部への進学を決意しました。

 大学でのフランス語専攻を決めた時点では、交換留学の制度を利用して2年生の後期から1年間留学しようと漠然と考えていました。言語習得に対する苦手意識はあまり無かったため、これまで英語を勉強してきたのと同様に順調に伸ばしていけるだろうと思っていました。しかし実際にフランス語を学び始めてみると動詞の活用や男性名詞・女性名詞、代名詞など複雑な要素が多く、そこで苦戦してしまったためになかなか思っていたようにはいきませんでした。調香師については調べていくほど道のりが険しいものだと知り、必要な化学分野の知識もないため早々に諦めましたが、大学の4年間をフランス語の勉強に捧げると決めたからには、最終的にはこの先の人生に活かすことができる地点に到達したいという強い思いがありました。そのため大学3年生のおおよそ文法を習得し終わった頃から卒業後のフランス留学を意識し始めました。

 それから留学を決意したのは大学4年生の夏でした。私は大学の夏季休暇期間にフランスへ行き1ヶ月間私立の語学学校に通いました。私の場合読み書きと会話のレベルの差が大きく、読み書きにおいては日本できっちり勉強していたためそれほど苦労することはありませんでしたが、現地のスピード感での会話は初めての経験でした。相手の言葉を理解して返答するのにとても時間がかかり、フランス語を上達させるにはもっとコミュニケーションをとる機会が必要だと感じました。帰国が近くなった頃に学校の先生や店員さんから発音を褒められることが増えましたが、まだまだ相手の言葉を正確には聞き取れていなかったため、必ずもう一度留学に行き次はDELFのB2以上を取得を目指そうと決意しました。

 コミュニケーションを課題としていた私は、前回の短期留学を通して今回の留学に必要としていた条件が2つあります。1つ目は大学附属の学校であること、2つ目はパリではない場所の2点です。まず1つ目については前回の短期留学の間にフランス人と関わる機会がほとんど無く、大学附属なら学内の施設を利用できることから現地の学生と交流できる機会が多いのではないかと考えました。2つ目については、パリは交通の便も良くどこも景観が美しいため充実した時間を過ごすことができましたが、フランス語で会話を試みても英語で返されることが多く、悔しさや一方で会話の練習の機会が減ってしまっていると感じていました。今回選んだモンペリエ第3大学は学生が多く、一定レベルから大学のコースを受講できるという点に惹かれ、またDELF・DALFの試験会場になっていることから資格取得を目指す上で何かしらのメリットがあるだろうと考えました。リヨンについては、留学を相談した方から日本人とフランス人の交流コミュニティが地域的に沢山あったという実際の留学体験を聞き、まさに求めている留学像だったため選ばせていただきました。今回2か所へ留学することに決めたのは、環境に慣れて怠惰になることのないようにという戒めと一方で1年という長い期間を一カ所に留まることは勿体無いという思いからです。
 今後皆様がフランス留学を検討する上で、ひとつの留学の形として参考になるようにしっかりレポートしていきたいと思いますので、よろしくお願いいたします。