33期奨学生

松本志歩様 アンジェ留学6

初めての長期留学が終わりました。10ヶ月という月日は長いようであっという間でした。結論から述べますと、私のフランス留学という選択は大正解だったと思います。初めての海外長期滞在、フランス語も話せないという不安はたくさんありましたが、今となっては杞憂でした。

10ヶ月のフランス生活を振り返ってみると、フランス語だけでなく、フランスでの価値観や日本の日常生活では経験できない多様性など、学んだことはたくさんあります。しかし、やはり国に関わらず人との「縁」の大事さを一番学ぶことができたと思います。今までのレポートでもお話ししていますが、私は10ヶ月間、フランス人や留学生が一緒に暮らす学生寮で生活していました。

私が入居した9月は夏休み期間だったこともあり、まだフランス人もまばらで、日本人は一人もいませんでした。フランス語も話せず、知り合いもいない不安でいっぱいの中、入寮初日にフランス人が話しかけてくれました。友人たちとUNOをやっている輪に混ぜてくれた時のことを今でも鮮明に覚えています。また、フランスで初めてできた友達は韓国人でした。元々韓国語が話せたことも大きいですが、趣味が同じことが分かってからは寮で毎日一緒に過ごすようになりました。仲良くなってからは、一緒にフランス国内を旅行したり、韓国料理を作ったりしました。学期が始まってからは、フランス人の友達もできました。日本が好きで話しかけてくれたり、食後にカードゲームに誘ってくれたりしました。内向的な性格で人と仲良くなるきっかけを作るのが苦手な私は、とても助かりましたし、とても嬉しかったです。

彼らとの一番の思い出は、移動型遊園地です。絶叫系が苦手そうに見える人が意外とそうでなかったり、屋台のチュロスをシェアしたりと、普段は知り得ない新たな一面を知ることができました。料理が得意なフランス人は週末に手料理を振る舞ってくれました。また、ナント出身のフランス人はナントを案内してくれたり、私が行きたいと言っていたノルマンディー地方の観光地まで車で連れて行ってくれたりもしました。

大人になってから、新たに人との縁を繋ぐということは簡単ではありません。元々私は、人と仲良くなるのに時間が必要なのですが、フランス生活を通して、この人との縁は切りたくないと心の底から思える人がたくさんできました。このことは、何にも代え難いものだと思っています。また、寮だけでなく学校でもたくさんの友達ができました。出身国も年齢もバラバラですが、積極的に発言する姿勢にとても圧倒されました。先生方も本当に良い方ばかりで、私が悩んでいることや、分からないことなどを一つ一つ丁寧に聞いてくださり、アドバイスをいただきました。ネイティブが見るようなニュースやドキュメンタリーを、非ネイティブかつ学習初心者が理解できるわけがないと文句を言っていた時期もありましたが、今となってはそのスパルタさをありがたく思っています。

将来フランス留学を考えている方には、ぜひアンジェカトリック大学を、そしてホームステイではなく寮生活をお勧めします。フランス語力に自信がない、海外で暮らすことに不安がある方も恐れずに挑戦してほしいと思います。渡仏前に掲げていた目標が全て達成できたかは分かりませんが、目標以上の経験を得られたことは確かです。私のようにフランス語を事前に学んでいなくても、フランスについての知識がなくても、新しいことに挑戦する意思と様々な価値観を受け入れる心があれば、留学を実りあるものにすることができると思います。

PAGE TOP
タイトルとURLをコピーしました