第二の人生の幕開けはフランスから!
私は以前、日仏文化協会を通してトゥールに留学しました。今回再びトゥールに2ヶ月半滞在し、その後ディジョンで4ヶ月間を過ごしました。63歳で退職し、楽しく有意義な第二の人生を送るため、仏語学習、ロマネスク芸術の探求、フランスでの拠点開拓の3つの目的があり、担当のカウンセラーに相談し2都市を選び、留学プランを決めました。言葉もbébé(赤ちゃん)の状態でフランス社会に飛び込んだことは、まさに第二の人生の始まりでした。
トゥールはパリからTGVで約1時間、ロワール河沿いの観光の中心地で、古い街並みに観光客が絶えない活気のある町です。
トゥレーヌ学院はその歴史地区に接し、サン・マルタン聖堂のそばにある14世紀からの建物を改造した3棟で構成されています。
1クラスは生徒12人ほどで、2人の先生で編成され、4週間ごとにクラス替えがありました。生徒の多くは20〜30代の各国からの学生で、そこに混じって学習するわけですが、語学学生という同じ立場なのでそれほど年齢差は意識しませんでした。週末には専任の指導教官が引率するバス旅行があり、解説付きで観光を楽しめます。ロワール河沿いはもとより、モン・サン・ミッシェルやシャルトルなど安価で各地を巡れます。また60歳以上のシニアの場合、60ユーロで1年間有効のSNCF・国鉄のパスがあり、土日・祝日はこの地域内の列車とバスは半額、しかも同行者2名まで適用ということで、これを利用し近郊の古城へもよく出かけました。
一方ディジョンは、パリからTGVで1時間40分ほどのブルゴーニュ地方の中心都市です。郊外に向けてトラムとバスが頻繁に往来し便利です。街の中心部には、大きな教会や、充実した展示物の美術館や博物館が幾つもあり、無料で楽しめます。
語学学校(CIEF)は広大なブルゴーニュ大学の一角にあります。1クラス15人ほどで、曜日により2人の先生が担当され、週2時間の文明講座もありました。構内に3つある大学図書館は充実しています。学生食堂は3.25ユーロでデザート付きのボリュームのあるものが食べられます。学校企画のバス遠足もあり、ジュネーブやアルザスへ出かけたこともあります。両校ともかなり宿題が出るので、学習は毎日大変でした。
ステイ先での生活をエンジョイ
トゥールでもディジョンでも良いステイ先を紹介していただき、充実した生活を送りました。数年前にも4ヵ月滞在し、今回2度目となるトゥールでは前回と同じステイ先に滞在し、すっかり家族の一員のような関係になりました。常に人が集まってくる家で、計5人の留学生がステイしているので国際色豊かな環境です。
ディジョンの家では、他に学生はいませんでしたが、この地方の家庭料理をたくさん作って頂きました。マダムは教会や社会活動に積極的に参加されるので、よくお供させてもらいました。一方ムッシュは地方の一徹者といった感じで、ワインも赤しか飲みませんが話し出すと止まりません。半分もわかりませんが、何とか意思疎通ができており、毎日話題には事欠きませんでした。
日本文化を紹介してフランス人と文化交流
現地の方との交流には、日本の文化をよく利用しました。タブレット上の写真を使って話しますが、特に日本庭園の紅葉や春の桜、富士山などは関心を寄せてくれます。また、ステイ先や学校でお茶を点てたり、日本の女子学生さんと一緒に折り紙教室を開いたりするのもよい文化交流になりました。