学校や町、滞在先の第一印象を紹介して下さい
私の滞在先は、一般寮のため留学生だけではなくリヨンで働く外国人や、フランス人も住んでいる寮です。たまたま今の時期に日本から来ている方が多かったこともあり、自然と寮の中でも友達ができました。造りが古めの寮ではありますが、一つ一つの部屋は割と大きく一人で生活するには十分な広さだと思います。また部屋に大きな窓がついているので開放感があります。そして、各階に共同キッチンが3つ付いてるので自分で何か作りたいときにも自由に使うことができるのが便利です。もちろんキッチンで他の住人に出会うこともあるので、仲良くなると一緒に料理を作って食べることもあるのでとても楽しいです。
リヨンは留学生にとても適している町だと思います。何故そう思ったのかというと、物価や治安の問題があまりなく、観光地ではないので何となく心が休まると思ったのです。実際に住んでみてリヨンはとてもバランスの良い町だと感じました。私の住む寮がある地区や、中心街以外の地区は人も多くなくとても穏やかで、ローヌ川とソーヌ川という大きな川が流れているため、一日中とても綺麗な風景が楽しめます。天気のいい日に川沿いでのんびりするのはとても気持ちがいいです。また、週末になると川沿いでマルシェ(市場)が開かれ、スーパーより安い値段で野菜や果物が買えたり、古本やアクセサリーが売っています。日本ではなかなかマルシェに行くという文化がないので、毎週末地元の人たちが多く集まるマルシェはとても楽しいし、生活の助けにもなります。そして私の住んでいる地区からローヌ川を渡って、中心街であるベルクール広場の方に行くと、そこには打って変わってたくさんのお店がありショッピングも楽しめます。プランタンというデパートから、ユニクロやZARAのようなアパレル店や、雑貨屋、家具屋や映画館など基本的にどんなお店もそろっています。もちろんレストランも多くあるため、ショッピングをして食事も楽しむことができます。また、こちらに来る前は、リヨンはフランスの第2の都市だと聞いていたのでアジア人もたくさんいるのかなと思っていたのですが、思っていたよりは少ない印象です。
私は前半にアリアンスフランセーズ・リヨン校、後半にリヨンカトリック大学ILCF校を選択したため、今はアリアンスフランセーズ・リヨン校という語学学校に通っています。時期やクラス、時間帯にもよると思いますが、日本人はあまり多くなく、中国・韓国などのアジア系が学校では多いです。年齢層は20代から4~50代まで幅広くいる印象です。
クラス分けテストはどのように行われましたか?
クラス分けテストは、日本にいる間に学校から送られてきたメールで指示されたテストをインターネット上で行う形でした。文法の選択問題や長文読解、テーマに沿った作文がテストの内容で、それを制限時間内に問いて提出しました。
クラスメイトを紹介して下さい。具体的な人数、国籍、年齢、クラスの雰囲気、授業の進め方等
アリアンスフランセーズ・リヨン校は毎月開講する学校のため、今の時期だとほとんどの生徒が継続してクラスを取っているので大きな変化はありませんが、月ごとにクラスメイトが入れ替わる形になっています。私は今B1レベルのクラスにいます。11月のクラスは全部で18人で、台湾人1人、香港人1人、中国人5人、韓国人5人、イタリア人1人、アメリカ人1人、メキシコ人2人、ブラジル人1人と日本人1人でした。年齢は全員私より年上で、大学生の留学生というよりは、マスターを取るために来ていたり、仕事をするために来ていたり、フランス人と結婚してこちらに移住しているためフランス語を学んでいる人たちが多いです。そのため最初はギャップを感じましたが、今は色々な人がいる環境がとても良い刺激になっています。
授業の雰囲気は、日本での授業とは全く違います。とにかく皆とても沢山発言をするし、自分の意見を述べる場面がとても多いです。日本人は発言をするのが苦手だし、文法はわかっても話せない人が多いと思います。そのため、同じクラスでも自分とは比べ物にならないくらい話せる人がいたりして、悔しい思いをすることもあるかもしれません。でも、日本とは全く違う形で授業をして、フランス語を話さなければいけない状況に置かれているので、日々学ぶことはとても多いです。
もちろん、授業では話すばかりではなく文法や聞き取りの時間もあります。日本では文法をきっちり勉強する傾向があると思うので、その点は自信を持っていいのではないかと思います。日本人にとってフランス語は耳慣れない言語だし、日本語とフランス語はとてもかけ離れている言語だとこちらに来て改めて実感しました。すぐにはフランス語を耳に慣らすことはできないので、せめて日本にいる頃からラジオを聴いたり、日々少しでもフランス語を耳にする機会をもっと持っていればよかったなぁと思います。
担任の先生は2人いて、私のクラスの場合、月・火・金曜日にジュリアン先生、水・木曜日がイザベル先生という先生でした。ジュリアン先生は男性の30代くらいの先生で、私たち生徒と自然に対話しながら授業を進めてくれていたのでとても楽しく、わかりやすくて他の生徒からの評判も良かったです。また、生徒の名前もすぐに憶えてくださったのでとてもいい印象でした。イザベル先生は女性の40代くらいの先生で、ジュリアン先生とは違うスタイルでした。自由に対話して進めるというより先生に指された人が答えて、板書をします。また、月末までなかなか名前も覚えてくれずジュリアン先生とは全然違ったので、生徒からの評判はあいにくあまり良くなかったように感じました。個人的にはジュリアン先生のようなクラス全体で授業が進んでいくような形の方が良いと感じました。アリアンスフランセーズ・リヨン校は月ごとに先生も変わるので、色々な先生のもとでのクラスを経験することができるのは良い点ではないかと思います。どの先生にも共通するのは、授業を始める前に、昨日あった出来事などを話したりする時間があることです。クラスメイトのことを知る良い時間でもあったり、知らなかったフランスやリヨンの情報などを得る時間にもなります。アリアンスフランセーズ・リヨン校には多くの先生がいて、中には中国語や日本語を話す先生もいます。クラスに日本人が一人という状況で、学校では全く日本語を発する事がなく、まさかクラスで先生と日本語で会話できるなんて思わなかったのでとても面白い体験でした。
宿題は出ますか?どのくらいの頻度や量ですか?
宿題は基本的に毎日出ます。その日によって変わりますが、教科書の練習問題や、ノートから1~2題出されたり、テーマに沿って短い作文などの宿題が出ることが多いです。ただ、宿題以外にも日々の授業内容でわからない単語はたくさんあるので、毎日復習や予習をしていくのが良いと思います。
具体的な授業内容を教えて下さい
詳しい授業内容としては、例えば、まず教科書の長文を辞書を使わずに一人で読み、それについての質問に答えます。内容の中で分からない単語があれば自由に発言をして聞き、生徒の中で意味が分かる人がいればその人が単語の意味を説明したり、先生が説明し
たり写真を見せたりします。フランス語の単語をフランス語で説明されるのはとても難しいですが、それを理解できることが大切だと思います。
また、教科書の内容は章ごとにテーマが分かれているのですが、例えばその章のテーマが「報道について」の場合、自分の国の報道の在り方について簡単に説明したりもしました。自分の国のことを外国の人に説明するのはとても難しく、自分の知識のなさに気付かされたりもしました。日本語でも話すのが難しい内容をフランス語で説明するということは、そのことに対してきちんとした知識を持っていなければならないな、と思いました。授業を通して、フランス語だけではなく日本のことや、一般常識への意識も高まります。そして、他国のことも知ることができるためとても興味深いです。
クラスメイトが日本に対して抱いているイメージを授業を通してちらほら聞くことがあったので、傍から見たら日本はこう思われているんだ、と新しい発見もあります。授業の中でも、やはり多くの人が漫画やアニメを通して日本に対するイメージを作っているのだと感じました。日本人である私よりも他国のクラスメイトの方が漫画やアニメに詳しいこともあり、驚くこともあります。そしてこうした会話を通して、自分の語彙力の少なさや言いたいことがうまく伝えられないもどかしさを感じますが、それをきっかけに、もっと勉強しなければというモチベーションにもつながります。こちらに来て2か月が経ち、フランス語の実力はまだまだですが、フランス語以外で吸収することがとても多く、刺激の多い毎日を過ごしています。勉強はもちろんのこと、日本にいてはなかなか行けないところに出かけたり、色んな人と話したり、趣味であるバレエの舞台を見に行ったりすることが、私にとってとてもいい経験になっています。フランスという慣れない場所で生活することは簡単ではありませんが、できる限りのことをしながら自分ならではの楽しみを見つけ、自分のペースを作ることが大切だと思います。