白井 拓朗様 エクサン・プロヴァンス留学2

学校や町、滞在先の第一印象を紹介して下さい。

エクス=アン=プロヴァンスは「泉の町」と呼ばれるぐらい市内にはたくさんの噴水があります。私は2013年と14年にエクスを訪れましたが、その時は街の雰囲気を感じるまでもなく、あっという間に日本に帰ってしまいました。今回、長期で滞在し、ゆっくりと街中を歩くとたくさんの発見がありました。特に印象として残っているのが、同じエクスの市内でも場所によって見えてくる景色がまったく変わってくるというところです。私はフランスについてすぐの9月20・21日の「文化遺産の日」にエクス市内を観光することができました。その際に普段入ることができない歴史的な建造物の内部を見ることができ、同時にエクスの歴史を知ることができました。エクス市内の中心部にあるミラボー通りを挟んで旧市街と新市街に分かれるエクスは、地区ごとに異なる雰囲気を出しています。
エクスの歴史は1世紀頃の古代ローマ時代まで遡ることができます。旧市街には古代ローマ時代の城壁の跡がわずかに残っています。中世から近世にかけてはサン=ソーヴール大聖堂を中心にその周囲に貴族の邸宅が並び、建物は密集し、道路は迷路のようになっています。一方、新市街の道は碁盤の目のようにしっかりと整備され、商人の屋敷が建ち立ち並び、内部の庭園の見事さに目を奪われます。このようにエクスは地区ごとに変わった景色を垣間見ることができます。
私が通っているエクス=マルセイユ大学附属語学学校(SUFLE)は、これまで別の場所に校舎がありましたが今年から大学の敷地内に新校舎が移り、そこで授業が行われています。新しい校舎となって綺麗ですが、未完成のようで新校舎のあちこちで工事しています。すぐ近くには大学図書館もあり、こちらも利用することができます。エクス=マルセイユ大学はフランスで最も大きな大学で、エクス市内にはたくさんの学生が住んでいます。私が滞在しているレジデンスにも多くの学生が住んでいます。レジデンス周辺には観光客、大型のショッピングセンターや郵便局があり、生活するのには困りません。市内の中心地に行くのにもとても便利な所にあります。

現地で日本との違いに驚いた事はありますか?

近所のスーパーに行った際、現地の人はまだ商品をレジで購入していないのに開けて食べたり飲んだりしていました。客の全員がそのようなことをしている訳ではありませんが、特に若い学生さんなどは急いでいるのか、ボトルのキャップを開けて飲んでいた商品をレジで購入し、店を出て行きました。店側も何も言いませんでしたし、普通に会計をしていたのには驚きました。
同じスーパーで私が会計をしているときにレジの担当者がすごく不親切で私が買った商品を投げるように渡してきました。このことを授業中に先生に話したら、先生はフランスでは普通のことだという答えが返ってきました。クラスメートも同じことを指摘していて、みんながフランスの店員は不親切だと言っていました。店員が不親切なのは日本では絶対にありえないことだと思うし、日本とフランスの文化の違いを感じました。

現在の食生活(朝、昼、晩)について具体的に教えて下さい。

朝食はヨーグルトとパン、フルーツジュースと簡単なものにしています。昼食は曜日によりますが、その日の授業が終了もしくは、次の授業まで時間があるときは家で食べるようにしています。昼食も簡単に済ませるようにしていますが、最近はスーパーで売っている1切れ分のピザやインスタントラーメンを食べています。授業が連続してあるときはお昼休みに大学近くのスーパーでサンドイッチを買ってきて教室でクラスメートと食べています。夜は基本的にレジデンスで食べるようにしていて、野菜を中心にとるようにしています。お肉や魚はスーパーやマルシェで安く売られているときは買ったりしていますがあまり食べていません。お菓子は疲れたときに買って食べています。いまフランスはクリスマスのマルシェが出ていて、エクスでもミラボー通りにマルシェが立ち並んでいます。そこには美味しそうなお菓子がたくさん並んでいて、学校帰りに友人と食べたりしています。

学校がある平日と週末の過ごし方について教えて下さい。

学校は週5で授業があり、曜日によっては8時半から授業が始まるので朝は早く起きるようにしています。日中のほとんどを学校で過ごしていて、17時には学校から帰ってきます。帰ってきたらまず宿題を片付けるようにしています。宿題は毎回必ず出されて、プリント1枚程度の少ないときもあれば、大量に出されるときもあります。宿題はその日の授業の復習であったり、次回の授業の予習を兼ねて出されたりもするので家に帰ったらすぐにやるようにしています。次の授業の予習をし、ある程度終わったら夕食を食べます。たまに授業終わりにクラスメートの家でパーティーが開かれたりするのでそれに参加したりしています。その時は自分の国の料理を作って持ち寄るので、各国の料理を味わうことができます。
週末はいろいろな所に出かけるようにしています。エクスには大きなバスターミナル(Gare Routière)があり、エクスの近郊の街までバスがたくさん出ていて、移動するのは楽です。これまでAvignon、Arles、Marseilleに行きました。遠出しない日はエクスの街を散歩したりしています。街中の写真を撮ったり、公園のベンチに座って本を読んだりもしています。それと週末には部屋の掃除、洗濯しています。平日は掃除や洗濯の時間がないので週末にまとめてやるようにしています。特に洗濯は共同になっていて、洗濯機は2台しかなく、週末は混むので私は朝早い時間帯に洗濯しています。乾燥機は1台しかなく、空いていれば使用できますが、週末ともなればみんなが使用するのでずっと稼働しています。なので、外のコインランドリーに行ったり、ベランダで干したりしています。フランスは乾燥しているので天気が良ければあっという間に乾いてしまいます。

現在使用している携帯のタイプをお教え下さい。

留学前に携帯電話をどうしようか悩んでいました。そこで携帯は2台持っていくことにしました。1台は日本で使っていたスマートフォンでフランスに来る前に休止状態にして持ってきました。フランスではレジデンス、大学、カフェなどで無料Wi-Fiに接続できると聞いていたので、メールの確認やインターネットをするときはスマートフォンやipadを使っています。もう1台は、ピクセルワイヤレス(Piccell Wireless)という会社の海外用携帯をレンタルしました。この携帯は緊急用として持ってきて、何かあったときにすぐに家族と連絡できるようにするために借りました。また、クラスメートと連絡をするときにも使います。使用料は最初にレンタル料金として約20ドルを払い、毎月の基本料金と使用した分だけを払います。緊急用なのでほとんど使うことがありませんし、家族や友人との連絡の際にはレジデンスのWi-Fiを使ってスマートフォンやipadでFace TimeやLineなどで話しているので電話代はほとんどかかっていません。