3期奨学生

野田様自己紹介

ソルボンヌの文明講座に行こうと決めたのは大学3年生くらいの頃でした。大学では外国語学部でフランス語を専攻していたのですが、それまでは特にフランスに行きたいとは思っていませんでした。ただ個人的にサガンが好きでよく読んでいました。サガンの文章が持つあの白でもなく黒でもない雰囲気やどことなく漂う儚い空気が大好きでした。

大学3年生になり、ゼミでフランス文学を専攻したのが大きなきっかけになったのかもしれません。私のゼミ担当の先生はフランス文学の造詣が大変深く、今までサガンのような現代フランス文学が好きだった私に17世紀のフランス古典主義文学とはどういうものなのかを教えてくださいました。主にラシーヌの作品を沢山読みましたが、戯曲ならではのフランス語の美しさやギリシャ神話に基づく歴史的観念はもちろんのこと、現代にも通ずるフランス人の物事の考え方や生活に大変興味を抱きました。ラシーヌの作品に登場する女性は皆慎ましさの奥に激しい情熱を秘め、女性らしい儚さと行動力という相反した性質を兼ね備えた人物で、その性質は現代のフランス人女性にも共通する点であると思いました。フランス文学を通してフランス人ならではの特徴や生活様式を学ぶ中で、フランス留学への思いはどんどん膨らんでいったように思われます。
また、それまではあまり興味が無かった政治・経済もフランス語の勉強だと思ってル・モンドなどを読むうちに興味を持つようになりました。フランスが持つ華やかなイメージとは対照的に、農業国であり、移民や失業などの深刻な問題を抱えている実状についても深く考えさせられました。大学で学んだフランスの文学・政治・経済は浅く広いものでしたが、これからのフランス留学へ繋がる掛け橋のようなものになったと感じています。

同じ頃アパレル販売のアルバイトを始めたことも動機の一つを成していると思います。もともとモードにも興味があったので、販売員としてファッションに関っているうちに、その最先端の発信源であるフランス・パリへの憧れも大きくなっていきました。ファッションだけでなく、音楽、本、食など衣食住のなかでトレンドを生み出しつつも、古いものを慈しむというフランス独特の空気を含んだライフスタイルに興味を持つようになりました。

私がフランス留学を決めた最大の動機はこのフランス独特の雰囲気・空気に惹かれたことにあると思います。私が今、日本で聞いて知っている情報がどうやって実際に発信されているのかを肌で感じたいです。フランス・パリといえばシャンゼリゼ通りにエッフェル塔・ルーブル美術館などがあり、もちろん一回くらいは行ってみたいと思いますが、わたしが一番フランスでしたいことは、パリで生活することです。地下鉄に乗って学校へ行ったり、公園で本を読んだり、日曜日にはマルシェで食料を買って料理をしたり、それが私の一番パリでしたいことです。そんな普通の生活の中にこそ私が感じたいフランスならではの空気があるのだろうと考えています。
また、私は今回のソルボンヌ文明講座が終わった後、フランスの大学へ編入したいと考えているのでDALFも受けるつもりです。この1年でフランス語能力を確実なものにして、その後、進みたい大学も自分の目で見て決めるつもりです。現地での生活の中で私が感じたこと、日本との違いや共通点などを自分なりの視点で発信しようと思っています。

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