トゥールーズ
7月の1ヶ月間は南仏にあるトゥールーズに滞在しました。フランス第四の比較的大きな街で、赤レンガでできているので「ばら色の街」と呼ばれています。私はこの独特の町並みがとても気に入りました。夏だったこともあり様々なコンサートや演劇やフェスティバルがあってとてもにぎやかでした。
学校はトゥールーズ・カトリック学院に通いました。パリ・カトリック、アンジェ・カトリックに続いて、私にとってはフランスに来て3校目のカトリック学院です。この学校はフランスでは珍しく一ヶ月ごとに入学となります。レベルチェックの結果、7月は初級5クラス、中級1クラス、上級1クラスになりました。驚いたのはフランス語を全く話せないまま来ている人たちがとても多かったということです。入学時の説明はフランス語に加えて英語もありましたし、事務室の人も生徒同士も英語でよく話をしていました。
生徒の国籍はアメリカ人が一番多かったのですが私のクラスは日本人に加えて韓国、イタリア、スペイン、インド、マダガスカル、ベトナム、カナダなどたくさんの国からの留学生がいてとても楽しかったです。皆とても仲良くなり、一緒に旅行をしたりサッカーを観戦したりしたのもいい思い出です。授業は毎日午前8時半から12時半で、午後は無料でボキャブラリーや文章表現強化のための選択授業がありました。
また、生徒同士が仲良くなれるように遠足やチーズパーティーなどのイベントもありましたし、7月は夏休みのためお休みでしたが普段はフランス人とも交流が持てるようにと国際交流会のようなものもあるようです。
滞在は学校から徒歩3分の男女共同の食事つき寮になりました。17世紀に貴族の館だったものを改装したそうで、吹き抜けになっている明るい階段や中庭などがすてきでした。住んでいたのはフランス人が最も多く、留学生は皆フランス語が超上級で本当に「活きた会話」ができたと思います。1ヶ月の滞在だったにも関わらず皆とてもフレンドリーに話しかけてくれ、いつもどこかで誰かが談笑しているようなとても雰囲気のいい寮でした。
最後に
一年間という限られた留学期間でしたがその中身は出発前に想像していたものとは全く違うものになりました。一言で「フランス語学留学」と言っても、都市、語学学校、選択する授業、クラスメート、そして意外とたくさんある学校外での時間に何をするかによって本当に人様々です。私の場合は、パリでは私がイメージしていた大学の雰囲気がほとんどないことに驚き、アンジェでは大量のテストと課題に追われ、トゥールーズでは独特のアクセントに戸惑い・・・と本当に都市ごとに全く違う生活をしていました。予想以上に自分次第でどんなことでもできるものだと思いました。
身につけた語学力以上に一番の収穫になったのは視野が広がったことです。フランス人の何事もとりあえず交渉してみるという気質、各国からの留学生との会話などから得たものはとても大きかったと思います。日本ではなかなか知り合いになれないような国の人とも多く友達になりましたし、逆に日本に対する見方も変わりました。
フランスはどこに行っても日本人がたくさんいます。せっかくフランスにいるのだからと日本人を倦厭している日本人もいましたが、私にとってはフランスで出会った日本人もまた日本では知り合いになれないような人ばかりで、意外かもしれませんがとても刺激を受けました。いつも最年少だったこともありよく助けてもらいました。
また、印象的だったのはフランスに住んでいると必ず直面する様々な手続き。何事も二重にも三重にも準備をし、手続きに行くときには、必要かもしれないもの+念のためさらにいろいろなものを準備して行き、無事に受け付けられても確認の書類が届くまではハラハラ待っている・・・という日本では考えられないほど面倒なものでしたが文化の違いということで私はいい経験になったと思います。実際、電気料金の請求書は一度も正しいものが届かずに毎回クレームの電話をしていましたが、手続きがうまくいったときにはものすごい達成感で喜んでいました。
目の回るような速さで一年が過ぎました。これからは日本の大学に戻って就職活動をしてから卒業です。この一年で自分がどれだけ変わったのかはまだわかりませんが、フランスで身につけた語学力や視野を活かしていきたいと思っています。
私の留学生活はこれで終わりますが、これから留学するみなさんもいろいろなことに挑戦して楽しんでください。最後に、出発後も相談に乗ってくださった日仏文化協会の長島さん、アンジェ駐在員の横田さん、トゥールーズ駐在員のアミエル陽子さんを始め、私の留学生活を助けてくださった皆様に感謝いたします。本当にありがとうございました。