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新城 京子様>>ピアニスト

これまでの人生を通して、ピアノは常に私の原動力でした。多くのピアニストとの出会いによって、教えられ、励まされてここまで来ることが出来ました。そして、偉大な作曲家が残した曲のより深い所に触れることが出来るよう、色々な角度から演奏技術向上に努めて参りました。長年ピアノを弾き続けてきたことで、最近になってようやく分かりかけてきた事もあるのです。本当に、ピアノは奥深く人を動かす力があると感じています。

 

幼稚園で遊びのように始め、小学3年生から本格化したピアノは、70代となった今も私に探求心と感動を運んで来てくれるのです。私とフランスとの関わりは、1995年頃にジャン・ファシナ(Jean FASSINA)先生が沖縄にいらした時にレッスンをしていただき、1997年にパリで先生の夏期講習に参加したのが始めでした。その後クールシュヴェル夏期音楽国際アカデミーのエドソン·エリアス (Edson ELIAS)先生のクラスに参加。エリアス先生は、ブラジル出身、フランス在住の世界中で活躍されたピアニストです。私は国際夏期音楽講習には毎年参加を続け、2004~2007までは、先生を私が暮らす沖縄や東京に招き、そこでの先生のコンサートやレッスンなどを企画、開催しました。また、先生と一緒に弾かせて頂いたりし、この間先生から多くのことを教わり、そして、この出会いが私とフランスとの関係を決定的にしたのです。残念ながらエドソン・エリアス先生は亡くなられてしまいましたが、私は現在先生の奥様のエレーナ·エリアス(Helena ELIAS)先生から、パリ・エコール・ノルマル音楽院でレッスンを受けています。個人的な付き合いも長く親しい間柄ですので、レッスンは楽しく意志の疎通もスムースと言えます。エレーナ·エリアス先生もブラジル出身で、ピアニストとして独特の魅力があります。レッスンでは、アドヴァイスを強制する事はなく、自発性を促すというスタイルにも大変学ぶところが多いです。

 

私は今までに多くの師から学ばせて頂きました。40歳に近い頃アメリカで師事したポール·ポズナック(Paul POSNAK)先生からは、新しいピアノテクニックの基礎をゼロから教わり直しました。又、エドソン・エリアス先生と時を同じくして知り合ったペテルスブルグ音楽院のニキタ·ユジャニン(Nikita Juzhanin)先生からは、身体の硬さをとる部分、必要な支え、音楽的表現との関係、指との関係などを教わり、自分で感じていた演奏の限界に光が見えたのです。他にも大勢のピアニスト、先生からレッスンを受けました。様々な縁が重なり、幸運にも多くの素晴らしい師と出会うことが出来たのです。

 

最近フランスで暮らすようになって感動したことが2つあります。ここ10年の間、毎年数回フランスを訪れていましたが、気付かなかったことです。一つは、パリジャンやパリジェンヌの着こなしの豊かさです。その色の感覚と組み合わせには無限さを感じます。変に固くなく、自分の表現として自然に滲み出ている感じです。まさに「音色」と言う言葉通りに、この色彩感覚が、フランス音楽にも通じているのではないかと思います。二つ目は、セーヌ川の流れです。私の暮らすMoulin Galantの近くMelunには、私の妹が暮らしています。時々RERで会いに行くのですが、その時に列車の車窓から目にするセーヌ川の浪浪として勢いのある流れは、パリでは目にすることの無かった景観ですし、この川の雄大さに感動させられます。

 

パリ郊外で暮らしている事もあり、通学には片道1時間を要します。しかしそれは苦になりません。十分な広さと設備を持つ部屋で練習が出来て、大変満足しています。私の上階に、やはりピアノで日仏文化協会の紹介の若い学生さんが暮らしているのですが、コミュニケーションを取りながら楽しく生活しています。当初心配していた、お互いの音の問題も、ちょっとした各自の工夫で解決しています。1日6~8時間練習. 土日も問題ありません。


パリでの環境に比べると、練習に関して大変恵まれていると思います。大家さんとも密にコンタクトが取れ、色々な要望にも事細かに対応して頂いています。日仏文化協会に紹介して頂いて、異国の地で、しかもフランス語のほとんど出来ない私ですが、いざという時に日仏現地スタッフに相談出来ると思うと、どんなにか心強かった事でしょう。

 

私もフランスでの生活はまだ始まったばかりです。それでも、自分が探して来たものに少しずつ出会えるようになった気がします。「ああ、これだったのか」と今まで疑問に思っていた事に、答えを得た時もありました。これからもずっと学び続けたいと思っています。そして私の演奏を聴いて、少しでもその曲の魂に触れられたと言う人がいたなら、それは私にとって何ものにも替え難い幸せです。