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佐藤 路世様>>クラリネット奏者

フランスには学生時代から興味があり、以前から留学したいという気持ちがありました。しかし、仕事やプライベートで忙しく、なかなか留学する機会を見つけられないまま時が経ってしまいました。東京都交響楽団に入団し、演奏するようになって12年が過ぎましたが、この生活が定年退職まで続くと考えた時、少し立ち止まって考えてみたくなり、渡仏を計画しました。若くして留学する音楽学生とは立場が違いますが、現在の時点から将来を見れば今の私が一番若いわけですから、思い切って行ってみようと、留学を決意しました。文化庁の海外研修制度に受かった事も留学に踏み切るきっかけになりました。

 

パリでは二人の先生からプライベートレッスンを受けています。パリ管弦楽団首席クラリネット奏者 のパスカル・モラゲス(Pascal Moragues)先生と 、パリ国立オペラ座管弦楽団奏者のアレクサンドル・シャボ(Alexandre Chabod)先生です。10日に1度、パリ管弦楽団のホールやバスチーユ・オペラ座のリハーサル室など、指定された場所で1時間半程のレッスンを受けています。また、特別にオーケストラの未公開リハーサルを見学させて頂く機会もあり、大変勉強になります。今までもフランス人教授による日本でのマスタークラスや、ニース夏期国際音楽アカデミーにも参加してきたので、フランス語でのレッスンに抵抗はありませんでした。コミュニケーションに問題はなく、楽しく充実したレッスンを受けています。先生と生徒という以上に、プロオーケストラ奏者同士いろいろなお話をさせて頂いているといった雰囲気です。

 

私生活では、入居早々に水漏れがあり大変でした。この出来事をFacebookに載せたところ、留学経験のある友達から連絡があり、自分よりも大変な思いをしていたと知って励まされました。私の大家さんはすぐに修理の為に動いてくれましたが、友人の中には何ヶ月も待たされた人もいました。水漏れは大変でしたが、これもフランスらしいところかと思えば、何事にも大らかに構えていた方がよさそうだと感じています。私の暮らしているアパートの周りにはスーパーが無く、一緒に連れて来た娘との食生活を考えると不便ではあります。しかし日本が便利すぎるのですし、急な渡仏を日仏文化協会にお願いしたにも関わらず、こうやって音楽の練習が出来る部屋を見つけて頂いた事を大変ありがたく思っています。私の場合は子供の同行も希望していましたし、準備期間や語学の問題もあり、自力で予算と希望に合った音楽可能物件を探すのはとても難しかったです。日仏文化協会に物件サポートをお願いしたことで、色々な事をとても迅速に進めて頂き、流石だなと思いましたし、安心出来ました。物件のことがうまく進まなければ、渡仏前のタイミングでビザも取得できなかった可能性もあり、とても感謝しています。

 

海外に勉強しに来たのであれば、少しずつでも、そして最終的には自力で先生とコミュニケーションを取れる様にするのが目的だと思います。日本の普段の生活と全く違う環境に身を置いて、起こってくる様々な問題を、自分の勘を働かせて解決し、生きる術を学ぶのも、海外暮らしならではの体験です。留学の目的は、こうして人間として成長する事にもあると思いますし、その経験は日本に帰ってからも大きな財産になると思います。

 

週末には、娘とシャンパーニュ地方へ出かけてぶどう摘みをしたり、シャトー巡りをしたりと楽しく過ごしています。パリから少し足を伸ばせば、土や緑と触れ合うことができますし、パリ市内や近郊にも森や緑のある公園があり、自然を楽しめるのがいいと思います。娘はケーキやチョコレートが大好きです。最寄り駅のポルト·ド·ベルサイユ見本市会場で、「サロン・ド・ショコラ」の展示会が開かれた際には、近所と言う事もあり娘と見に行きました。気楽に大規模なイベント楽しむ事ができ、娘もとても喜んでいました。私はワインが好きなので、こちらでは美味しいワインを手頃な価格で味わえますし、娘も私もパリの生活を満喫しています。

 

帰国後は直ぐにオーケストラの仕事が待っています。そこで何を出せるかと言うのは課題です。これまでに築いて来た自分がある訳ですし、フランスに来たからと言って直ぐに何倍もの事が出来る様になるとは考えられません。多種多様な人が集まるフランスに足を運び、現場のオーケストラからその多様性を学びたいと思いました。そして自分を多角的に見つめ直すことによって、もっと色々な音色が出せる様になれれば良いと考えています。日本に帰ると直ぐに舞台ですが、技術的に今まで出来なかった事を出来る様にすると言うよりも、フランスでの暮らしを通して、ここで学んだ事を素直に表現出来たらよいなと思いますし、精神面においても自分を再確認出来たら何よりなのです。